子どもの頃から不器用で、工作すれば傷だらけ、車は毎度のエンストの「なんでも壊す男」。思わずくすりと笑わせるイラストを、作者自ら大真面目に分析する「本棚のうえの女」。
味のあるイラストと軽妙な文章で愛され続ける作家の実像を掘り起こす、絶品短編集。本邦初訳2篇を含む。
サーバーは、ちょっとヘンな人たちをよく描く作家。奇天烈な行動をとる家族や友人だけでなく、実は彼自身もなかなかヘンな愛すべき人物なのです。そんなサーバーの実像が透けて見える作品を集めました。
ジェイムズ・サーバー |
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[ 1894 - 1961 ] アメリカの作家、イラストレーター。オハイオ州コロンバス生まれ。オハイオ州立大学を中退後、国務省の暗号部員を経て、新聞記者に転身。その後、創刊間もない「ニューヨーカー」誌で活躍。彼と同僚のE・B・ホワイトが手がけた《町の話題》(トーク・オヴ・ザ・タウン)は、洒落たユーモアで同誌の名物コラムとなった。犬好きで知られ、犬についてのエッセイやイラストも多い。本書収録の「虹をつかむ男ーウォルター・ミティの誰も知らない別の人生」は、1947年にダニー・ケイ主演で映画化され大ヒットした。晩年は視力の悪化に苦しんだ。1961年、脳血栓により死去。享年66。 |
[訳者] 芹澤 恵 Serizawa Megumi |
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成蹊大学文学部卒業。英米文学翻訳家。訳書に、『傍迷惑な人々』 (サーバー)、『フロスト始末』 (ウィングフィールド)、『リリアンと燃える双子の終わらない夏』(ウィルソン)、『フランケンシュタイン』(シェリー)、『世界を変えた100人の女の子の物語』(ファヴィッリ、カヴァッロ、共訳)、『ヒロシマ・ボーイ』(平原直美)、『密林の夢』 (パチェット)、『エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人』 (ベネット)などがある。 |
あとがきのあとがき |
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「訳し終えた時、『生きてきてよかった〜!』と思ったことがあります」 サーバー『傍迷惑な人々』の訳者・芹澤恵さんに聞く |