ジムとの筏の旅には危険が一杯。さらに途中で道連れとなった詐欺師どもは厄介事ばかり引き起こす。だがハックを本当に悩ませていたのは、おたずね者の逃亡奴隷ジムをどうするかという問題だった。そして彼は重大な決断を下す。アメリカの魂といえる名作、決定訳で登場。解説は石原剛さん(早稲田大学教授)。
大人たちはなぜ堅苦しくしたいのか、金なんかないほうが気楽じゃないか、なぜ人人は殺し合うのか...... 常識にとらわれずに自分で考えて生きるハックの頭の中は、そんな問いに満ちている。ときに手に汗握る、ときに抱腹絶倒の冒険譚を紡ぎ出すいっぽう、作者トウェインの視線は、いつの時代の社会にもある問題を痛烈に射抜いているのだ。
マーク・トウェイン Mark Twain |
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[ 1835 - 1910 ] アメリカの作家。ミズーリ州フロリダに生まれる。印刷工、ミシシッピ河を運航する蒸気船の水先案内人、新聞記者などの職業を経て、作家となる。1867年、最初の単行本『キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙』を刊行。以後、『トム・ソーヤーの冒険』『王子と乞食』『ハックルベリー・フィンの冒険』『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』等の小説を発表するほか、『ミシシッピ河の生活』等のエッセイや評論も多数執筆。ユーモアと痛烈な文明批判を織り交ぜた作風は、後世に多大な影響を与えた。1910年、コネチカット州レディングの自宅で死去。享年74。 |
[訳者] 土屋京子 Tuchiya Kyoko |
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1956年生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家。訳書に『ナルニア国物語』全7巻(C・S・ルイス)、『あしながおじさん』(ウェブスター)、『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』(トウェイン)、『小公子』『小公女』『秘密の花園』(バーネット)、『仔鹿物語』(ローリングズ)、『部屋』(ドナヒュー)、『ワイルド・スワン』(ユン・チアン)、『EQ〜こころの知能指数』(ゴールマン)ほか多数。 |