観応の擾乱を経て太平の世は訪れたのか?

太平記(下)

太平記(下)

作者未詳    
亀田俊和  訳   
尊氏・直義兄弟の確執、派閥争い。
約60年にわたる争いの結末は……。
内容
後醍醐天皇は吉野に逃れ、幕府が優位を築くも、驕った高師直らは専横をきわめる。やがて観応の擾乱が勃発し……。紆余曲折の末、足利政権が覇権を確立していく様をダイナミックに描く下巻。近世以降の日本思想に影響を与えた歴史文学の魅力を、最新成果を踏まえた「解説」とともに味わう。
作品
日本史上屈指のマイナー時代ともいわれる南北朝ですが、少年ジャンプ『逃げ上手の若君』、宝塚歌劇団『桜嵐記』、直木賞受賞作『極楽征夷大将軍』の話題に象徴されるように、実は今、ブームに沸いているのです。キャラ立ちはもちろん、陰謀あり、寝返りあり、身内の権力闘争あり……。読み物として『太平記』の面白さは群を抜いています。
目次
       
太平記 下巻
凡例
※表記【1-8】は『太平記』原本における巻の一、第八話であることを示す。
  • 第三部
  • 第四部
  • 第五部

【21-2】日本で流行していたファッションおよび佐々木導誉が妙法院の御所を焼き討ちしたこと

【21-3】比叡山延暦寺が日吉大社の神輿を動かして嗷訴しようとしたこと

【21-5】後醍醐天皇の崩御

【21-8】塩冶判官高貞が讒言に遭って死んだこと

【23-1】畑六郎左衛門時能のこと

【23-8】土岐頼遠が光厳上皇の臨幸に遭遇して乱暴を働いたこと

【23-9】高師秋が美女を盗まれたこと

【26-2】大塔宮護良親王の亡霊が足利直義の妻の胎内に宿ったこと

【26-7】河内国四条畷の戦い

【26-9】和田源秀と楠木正行の戦死

【27-2】高師直の驕り高ぶり

【27-3】高師泰の奢侈

【27-5】 妙吉侍者について

【27-7】秦の趙高について

【27-9】田楽について

【27-10】足利直義が高師直を粛清しようとしたこと

【27-11】師直が将軍の邸宅を包囲したこと

【29-2】桃井直常が四条河原で尊氏軍と交戦したこと

【29-9】小清水の戦いについて

【29-12】師直以下が討たれたこと

【30-10】薩埵山の戦い

【30-11】直義の死

【31-1】武蔵国小手指原の戦い

【32-5】近江国堅田の戦いと佐々木秀綱の戦死

【32-11】名刀鬼丸と鬼切

【32-13】東寺の戦い〈「京の戦い」と称する〉

【33-3】富裕を誇る幕府の大名たち

【33-4】将軍尊氏の死

【33-8】新田義興の自害

【34-16】吉野の後醍醐廟に神霊が出現したこと

【35-4】将軍義詮が逃走し、仁木義長が失脚して伊勢国に逃れたこと

【35-8】北野天満宮の参詣者たちによる政治談義

【36-11】細川清氏の反逆が発覚し、すぐに逃走したこと

【36-16】北朝の公家や室町幕府の諸将が京都を脱出したこと

【38-4】越中国の戦い

【38-7】筑紫の戦い

【38-9】細川清氏の戦死

【39-6】諸大名が斯波高経を讒言したことおよび佐々木導誉が大原野で花見の会を催したこと

【39-12】光厳法皇の崩御

【40-7】征夷大将軍義詮の死去

【40-8】細川頼之が西国より上洛したこと

 関連図版
 全話目次
 人物一覧(頻出・その他)
 解説 亀田俊和
 年表
 訳者あとがき
 主な登場人物しおり
              
  
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[訳者] 亀田俊和    Kameda Toshitaka

1973年、秋田県生まれ。国立台湾大学日本語文学系助理教授。京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学専攻 (日本史学)修了。京都大学博士(文学)。著書に『高師直』『足利直義』『征夷大将軍・護良親王』『観応(かんのう)擾乱(じょうらん)』『南北朝期室町幕府をめぐる諸問題』など多数。