ジョージ・ギッシング

  • 生年:1857年
  • 没年:1903年
英国の小説家。成績優秀の少年時代を送るも、18歳のときに女に金を工面してやろうとして学友から金を盗み、逮捕されて学者としての将来を棒に振る。1カ月収監された後に渡米し、新聞に短編小説を寄稿するなどして糊口をしのぐ。帰国後は、貧困に喘ぐ労働者階級の人々の生活をジャーナリスティックに描いた小説を次々と発表。1890年には自分の分身のような人物を主人公とした『三文文士』が好評を博して文壇での地位を確立した。キャリアが波に乗る一方、私生活では無知で情緒不安定な下層階級の女性と2度結婚して失敗。1899年にフランス人女性と渡仏して結婚、ようやく幸福な生活を手に入れる。本書はそんな中で1901年から翌年にかけて、自らの来し方を振り返りつつ書かれた小説で、生前刊行された最後の作品となった。
ジョージ・ギッシング