アメリカの小説家。メリーランド州生まれ。幼いころから貧窮の生活を送り、20歳までは職を転々とする。1915年にピンカートン探偵社に入社、調査員となる。第一次大戦中には陸軍に入隊するも肺結核のため除隊。28歳ころから雑誌に短篇小説を投稿し、1922年のデビュー以来、パルプ・マガジンで活躍する。1929年、「コンチネンタル・オプ」シリーズの長編『赤い収穫』『デイン家の呪い』が立て続けに刊行され、一躍人気作家に。その後も探偵サム・スペードの『マルタの鷹』などを生み出すが、第5長編『影なき男』の刊行後は、創作は事実上停止。1937年には共産党に入党、「赤狩り」の時代には裁判所に召喚されるが証言を拒否、法廷侮辱罪で入獄する。1961年、肺癌により死去。