若きソクラテスが、百戦錬磨の老獪なソフィストを相手に、悪戦苦闘しながら、大胆に議論を戦わせる。ここには老人のソクラテスはいない。躍動感あふれる新訳で甦る、ギリシャ哲学の傑作!
「人間の徳は、教えられるものなのか?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。
若くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中のプロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話をはじめる。しかし、対話は二転三転。次第に哲学的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎えることになる。
プラトン ΠΛΑΤΩΝ |
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[ 427 B.C. - 347 B.C. ] 古代ギリシャを代表する哲学者。アテネの名門の家系に生まれる。師ソクラテスとの出会いとその刑死をきっかけに哲学の道に入り、40歳ころには学園「アカデメイア」を創設して、晩年まで研究・教育活動に従事した。ソクラテスを主人公とする「対話篇」作品を生涯にわたって書き続け、その数は30編を超える。主な作品として、本書をはじめ、『ソクラテスの弁明』、『メノン』、『パイドン』、『饗宴』、『国家』、『テアイテトス』、『法律』などがある。その壮大な体系的哲学は、後世の哲学者たちに多大な影響を及ぼした。 |
[訳者] 中澤 務 Nakazawa Tsutomu |
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1965年生まれ。関西大学文学部教授。古代ギリシャ哲学を中心に、哲学・倫理学の諸問題を幅広く研究する。著書に『ソクラテスとフィロソフィア』。共著に『技術と身体』、『都市の風土学』、『バイオエシックスの展望』。訳書に『プロタゴラス−−あるソフィストとの対話』『饗宴』(プラトン)、『人生の短さについて 他2篇』(セネカ)、『詩編注解』(アウグスティヌス、共訳)など。 |