20世紀初頭に書かれたレーニンの代表的論文。

帝国主義論

帝国主義論

レーニン    
角田安正  訳   

変貌を続ける資本主義を理解するためにもう一度読まれるべき書物である。新訳は既訳の欠点をすべて克服した決定版。

内容

《多角的な分析と洞察》
自由主義から集中、独占へ。そして世界再分割としての列強間戦争の勃発──急速な発達を遂げ、帝国主義という新しい段階に到達した資本主義の実態を、産業界、金融界の動向から徹底的に分析。20世紀初頭の世界情勢をもっとも正確に描いている。


作品

《激動の世紀を経て》
両大戦、冷戦を経て、現在の形に至った資本主義。レーニンの予測は、今日のグローバル経済の矛盾、資本主義に忍び寄る危機を鋭く描き出している。激動の20世紀を経て現代にまで生き残ったこの名著は、資本主義社会の今後を占うための必読書。


解説より

ソ連崩壊後、社会主義経済を意識する必要のなくなった資本主義は、マルクスの描いた資本主義、つまりレーニンが理解していた資本主義に近づきつつあるようにも見える。今、あらためてレーニンの『帝国主義論』を読む意義が復活しているように思われる。


ウラジーミル・イリイチ・レーニン    B.И.Ленин
[ 1870 - 1924 ]   

ロシア社会民主労働党・ボリシェヴィキの指導者。1917年10月、史上初の社会主義革命であるロシア革命を成功に導いた。初代人民委員会議議長(首相)。「レーニン」は「レナウ川の人」を意味するペンネームで、本名はウラジミール・イリイチ・ウリヤーノフ。著書に『国家と革命』、『唯物論と経験批判論』など。

[訳者] 角田安正    Tsunoda Yasumasa
1958年生まれ。防衛大学校教授。ロシア地域研究専攻。在ロシア日本国大使館専門調査員を経て現職。訳書に『国家と革命』(レーニン)、『上からの革命−ソ連体制の終焉』(コッツほか)、『帝国主義論』(レーニン)、『菊と刀』(ベネディクト)、『市民政府論』(ロック)、共訳書に『ゴルバチョフ・ファクター』(ブラウン)などがある。