デフレ、少子高齢化、貧困・格差......「人口」から世界が見える。

人口論

人口論

マルサス    
斉藤悦則  訳   

「人口の増加は常に食糧の増加を上回る」。デフレ、少子高齢化、貧困・格差の正体が人口から見えてくる!

作品

「大胆にして修辞的であり、華麗な言い回しと情緒に富んでいる」(ケインズ)、のちに大経済学者となるマルサスの意気盛んなメッセージを、クリアな訳文で届ける。
今もアクチュアルな「若々しい天才の作品」。


内容

「人口は等比級数的に増加するが、食糧は等差級数的にしか増えない。そして、人の性欲はなくならない。」シンプルな命題を提起し、人口と食糧のアンバランスが生む問題に切り込んで、19世紀の進歩思想に大きな影響を与えた本書は、現在の世界においてもますます輝きを増している。

解説

的場昭弘(神奈川大学経済学部教授)


マルサス    Thomas Robert Malthus
[ 1766 - 1834 ]    古典派経済学を代表するイギリスの経済学者。父はルソー、ヒュームと親交があり、その影響を受けて育つ。ケンブリッジ大学を卒業後研究員になり、のち牧師となる。32才の時に匿名で出した本書『人口論』(初版)は当時のイギリス社会に大きな衝撃を与えた。その後名前を明かしたうえで第2版を出し、約30年をかけて第6版までを刊行した。39才で新設の東インド会社付属学院の教授に就任、歴史、経済を教える。穀物の輸入自由化をめぐりリカードウとの論争が有名である。著書に『経済学原理』『経済学における諸定義』『価値尺度論』など。
[訳者] 斉藤悦則    Saito Yoshinori
1947年生まれ。元鹿児島県立短期大学教員。共編著に『ブルデュー社会学への挑戦』。訳書に『プルードンの社会学』(アンサール)、『人口論』(マルサス)、『自由論』(ミル)、『カンディード』『寛容論』(ヴォルテール)、『貧困の哲学』(プルードン)。共訳書に『出る杭は打たれる』(レノレ)、『構成的権力』(ネグリ)、『システムの解体』(シャバンス)、『逆転の思考』(コリア)など。