「読書とは自分の頭ではなく、他人の頭で考えること」
「多読に走ると、自分の頭で考える力が失われてゆく」
内容
「読書は自分で考えることの代わりにしかならない。自分の思索の手綱を他人にゆだねることだ」「多読に走ると、自分の頭で考える力が失われてゆく」......。
読書好きのみなさんには、ドキっとする、耳の痛い話ではありませんか? なにを、どう読むか。あるいは読まずにすませるか。読書の達人であり一流の文章家だったショーペンハウアーが放つアフォリズムの数々。率直さゆえに辛辣に響く言葉の奥底には、哲学者ならではの人生哲学と深いヒューマニズムがあります。それが本書の最大の魅力です。読書について書かれた本は世にたくさんありますが、本書を抜きには語ることはできません。
●悪書は知性を毒し、精神をそこなう。良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。
- ●本を買うとき、それを読む時間も一緒に買えたら、すばらしいことだろう。だがたいてい本を買うと、その内容までわがものとしたような錯覚におちいる。
- ●読書しているとき、私たちの頭は他人の思想が駆けめぐる運動場にすぎない。
読書をやめて、他人の思想が私たちの頭から引き揚げていったら、いったい何が残るだろう。
- ●かれら(学者)は多読のために、愚かになっている。
- ●ひっきりなしに次々と本を読み、後から考えずにいると、せっかく読んだものもしっかり根を下ろさず、ほとんどが失われてしまう。
[書評]
- ●毎日新聞 2013年8月11日/今週の本棚(評者:荒川洋治さん)自分の頭で考えない人のための読書哲学
- ●読売新聞 2013年5月19日/ポケットに1冊