醜いことは罪なのか?

オペラ座の怪人

オペラ座の怪人

ガストン・ルルー    
平岡 敦  訳   

オペラ座は怪人の狂おしいほどの愛で「死の迷宮」と化す!

第21回日仏翻訳文学賞受賞!(小西国際交流財団主催)

作品

ノンフィクション風の小説手法の中に、ミステリー、怪奇、ユーモア、ロマンスの要素を見事に織り込み、容貌も能力も人間離れした怪人の人間的な悲劇を描き上げた、20世紀フランス大衆小説の大傑作。


内容

異形の怪人エリックは、愛する歌姫クリスティーヌに秘密の特訓を施して鮮烈なデビューをさせる一方、邪魔者には残忍な手を使うことも厭わない。とうとうクリスティーヌを誘拐し、追っ手を手玉にとったが......幾度も映像化・ミュージカル化されてきた傑作小説の真の「凄さ」を新訳で。


ガストン・ルルー    Gaston Leroux
[ 1868 - 1927 ]    フランスの小説家。パリに生まれ、大学では法学を専攻。弁護士試補としてキャリアを始め、1894年にジャーナリストに転向。新聞の司法記者として活躍する一方で、1897年に小説『夜の男』、1903年には『宝探しの男』をともに「マタン」紙に連載。1907年には『黄色い部屋の謎』の雑誌連載が始まり、新聞社の職を辞す。ニースに転居後、1910年に刊行された『オペラ座の怪人』が好評を博し、一躍人気作家となる。その後は短篇の戯曲化、映画の脚本なども手掛ける。1925年、本作がルパート・ジュリアン監督によって映画化され、翌年ニースでは2万人の観客を集めた。
[訳者] 平岡 敦    Hiraoka Atsushi
1955年生まれ。早稲田大学第一文学部卒、中央大学大学院修了。フランス語翻訳家。中央大学講師。主な訳書に『誰がドルンチナを連れ戻したか』(カダレ)、『カービン銃の妖精』(ぺナック)、『クリムゾン・リバー』(グランジェ)、『第四の扉』(アルテ)、『死者の部屋』(ティリエ)、『シンデレラの罠』(ジャプリゾ)、『ルパン、最後の恋』(ルブラン)などがある。