音楽、演劇、詩、建築、彫刻に絵画。芸術作品とは、初めに構想(アイデア)があってそれを具現化したものだと私たちは考えがちだが、それは違うとアランは言う。では、どう考えるのか? 戦火のなかで書きとめた『芸術の体系』に次ぐ、アランの斬新かつユニークな芸術論集。
わたしたちはよく、頭のなかになんらかの思い、イメージ、構想がまずあって、それが形となって実現されたものが芸術作品だと考える。この通念、公式にアランは強く異を唱える。美のなりたつ現場から眼を逸らした俗流の解釈にすぎない、と。斬新かつ奥深いアランの芸術観にきっと眼を開かれるだろう。
アラン Alain |
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[ 1868 - 1951 ] フランスの思想家。フランス各地の公立高等中学校で教師生活を送るかたわら、執筆活動を続ける。1903年、新聞で「プロポ」と題する短文の連載を始め、その後、この短文形式がの自由で柔軟な思想を表現する最適な形となった。1914年、46歳で第一次大戦に志願兵として従軍し、苛酷な戦場で『芸術の体系』を書く。1951年5月、文学国民大賞を受賞。同年6月、パリ西郊ヴェジネの自宅で死去。主な著書に『幸福論』『教育論』『文学についてのプロポ』『芸術二〇講』などがある。 |
[訳者] 長谷川 宏 Hasegawa Hiroshi |
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1940年島根県生まれ。東京大学文学部哲学科博士課程単位取得退学。哲学者。著書に『高校生のための哲学入門』『新しいヘーゲル』『丸山真男をどう読むか』『いまこそ読みたい哲学の名著』『生活を哲学する』『ことばをめぐる哲学の冒険』など。主な訳書に『精神現象学』『歴史哲学講義』『法哲学講義』『美学講義』(以上、ヘーゲル)、『経験と判断』(フッサール)、『芸術の体系』(アラン)などがある。 |