音楽,演劇,詩,建築,彫刻,絵画......
あなたの芸術の見方、間違っているかもしれませんよ。

芸術論20講

芸術論20講

アラン    
長谷川 宏  訳   

作品

音楽、演劇、詩、建築、彫刻に絵画。芸術作品とは、初めに構想(アイデア)があってそれを具現化したものだと私たちは考えがちだが、それは違うとアランは言う。では、どう考えるのか? 戦火のなかで書きとめた『芸術の体系』に次ぐ、アランの斬新かつユニークな芸術論集。


内容

わたしたちはよく、頭のなかになんらかの思い、イメージ、構想がまずあって、それが形となって実現されたものが芸術作品だと考える。この通念、公式にアランは強く異を唱える。美のなりたつ現場から眼を逸らした俗流の解釈にすぎない、と。斬新かつ奥深いアランの芸術観にきっと眼を開かれるだろう。

    目次
  • 1講 体系
  • 2講 芸術と情念
  • 3講 芸術と情念(続き)
  • 4講 見世物芸術への応用
  • 5講 ダンス
  • 6講 音楽
  • 7講 詩
  • 8講 見世物
  • 9講 見世物(続き)
  • 10講 衣裳
  • 11講 衣裳(続き)
  • 12講 建築
  • 13講 建築(続き)
  • 14講 建築(続き)
  • 15講 彫刻
  • 16講 彫刻(続き)
  • 17講 絵画
  • 18講 絵画(続き)
  • 19講 デッサン
  • 20講 芸術家

アランが注目する「芸術作品を生み出す現場」を通して、 哲学や暮らしを考える
『芸術論20講』の訳者・長谷川宏さんに聞く

[書評]
    ●北海道新聞2015年3月8日
  • 「身体重視する独特の視点」 (評者:北海道情報大学教授 三浦洋さん)
アラン    Alain
[ 1868 - 1951 ]    フランスの思想家。フランス各地の公立高等中学校で教師生活を送るかたわら、執筆活動を続ける。1903年、新聞で「プロポ」と題する短文の連載を始め、その後、この短文形式がの自由で柔軟な思想を表現する最適な形となった。1914年、46歳で第一次大戦に志願兵として従軍し、苛酷な戦場で『芸術の体系』を書く。1951年5月、文学国民大賞を受賞。同年6月、パリ西郊ヴェジネの自宅で死去。主な著書に『幸福論』『教育論』『文学についてのプロポ』『芸術二〇講』などがある。
[訳者] 長谷川 宏    Hasegawa Hiroshi
1940年島根県生まれ。東京大学文学部哲学科博士課程単位取得退学。哲学者。著書に『高校生のための哲学入門』『新しいヘーゲル』『丸山真男をどう読むか』『いまこそ読みたい哲学の名著』『生活を哲学する』『ことばをめぐる哲学の冒険』など。主な訳書に『精神現象学』『歴史哲学講義』『法哲学講義』『美学講義』(以上、ヘーゲル)、『経験と判断』(フッサール)、『芸術の体系』(アラン)などがある。