世界文学史上屈指の美しく悲痛なラヴ・ストーリー!

狭き門

狭き門

ジッド    
中条省平  訳    中条志穂  訳   

亀山郁夫氏絶賛!
「私の青春の里程標といえるジッドの名作を、中条省平氏・志穂氏の新訳でもう一度読めるのは大いなる喜びだ。若い人にも、ぜひお勧めしたい。」

作品

愛し合う二人の恋はなぜ悲劇的な結末を迎えなければならなかったのか? なぜかくも人間の存在は不可解なのか? 誰しもが深い感慨にとらわれる、ノーベル賞作家ジッドの代表作、みずみずしい新訳で登場。


内容

美しい従姉アリサに心惹かれるジェローム。二人が相思相愛であることは周りも認めていたが、当のアリサの態度は煮え切らない。そんなとき、アリサの妹ジュリエットから衝撃的な事実を聞かされる......。本当の「愛」とは何か、時代を超えて強烈に問いかけるフランス文学の名作。


〈あとがきのあとがき〉 アンドレ・ジッドは 本当に、愛と信仰の相克の物語を書いたのか 『狭き門』の訳者・ 中条省平さんに聞く

アンドレ・ジッド    André Paul Guillaume Gide
[ 1869 - 1951 ]    フランスの小説家。法学者の父と、富豪の娘である母との間に生まれる。大学には進学せずに文学に専念し、ヴァレリー、マラルメ、ワイルドらと友人となり、1895年には従姉マドレーヌと結婚。この恋愛と結婚生活は1909年の『狭き門』の題材となったが、自身は同性愛者であると後に告白している。『背徳者』『法王庁の抜け穴』『田園交響曲』『贋金つかい』など多くの小説、自伝『一粒の麦もし死なずば』がある。1947年、ノーベル文学賞受賞。
[訳者] 中条省平    Chujo Shohei
1954年生まれ。学習院大学教授。仏文学 研究のほか、映画・文学・マンガ・ジャズ 評論など多方面で活動。主著に『カミュ伝』『恋愛書簡術』『反=近代文学史』『フランス映画史の誘惑』。訳書に『マダム・エドワルダ/目玉の話』(バタイユ)、『恐るべき子供たち』(コクトー、共訳)、『肉体の悪魔』 (ラディア)、『花のノートルダム』(ジュネ)、『消しゴム』(ロブ=グリエ)、『狭き門』(ジッド、共訳)、『にんじん』(ルナール)、『すべては消えゆく』(マンディアルグ)ほか多数。
[訳者] 中条志穂    Chujo Shiho
1970年生まれ。翻訳家。訳書に『ロベルト・スッコ』(フロマン)、『フェリーニ オン フェリーニ』(コンスタンティーニ)、『アレクサンドリア』(ロンドー、以上共訳)など。