簡潔で明快なリズムとそして物語の力で読者を魅了するロシア文学の父・プーシキンの傑作2篇。原文の特徴を見事に再現した流麗かつ端正な新訳。
必ず勝つという3枚のカード。伯爵夫人がかのサン=ジェルマン伯爵から授かったというカードの秘密をゲルマンは手に入れるが......。現実と幻想が錯綜するプーシキンの代表作『スペードのクイーン』。皮肉な運命に翻弄される人間たちを描く5作の短篇からなる『ベールキン物語』。
プーシキン A.C.Пушкин |
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[ 1799 - 1837 ] ロシアの詩人、作家。ロシア近代文学の父と呼ばれるロシアの国民詩人。短詩作品、物語詩、劇詩、韻文小説、散文小説など多くの分野で名作を残す。貴族の家に生まれ、賭博、恋愛、決闘に彩られた奔放な生涯を送り、ついには美貌の妻をめぐり、フランス人将校と決闘の末、37歳で落命。後世の作家たちへ大きな影響を与え、今なおロシア人の魂のよりどころとなっている。代表作は『スペードのクイーン』『エヴゲーニー・オネーギン』『大尉の娘』など。 |
[訳者] 望月哲男 Mochizuki Tetsuo |
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1951年生まれ。中央学院大学教授。北海道大学名誉教授。ロシア文化・文学専攻。著書に『「アンナ・カレーニナ」を読む』『ドストエフスキーカフェ-――現代ロシアの文学風景』、『ユーラシア地域大国の文化表象』、訳書に『白痴』『死の家の記録』(ドストエフスキー)、『アンナ・カレーニナ』『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』(トルストイ)、『ロマンⅠ、Ⅱ』(ソローキン)、『ドストエフスキーの詩学』(バフチン、共訳)、『自殺の文学史』(チハルチシヴィリ、共訳)、『アレクサンドルⅡ世暗殺』(ラジンスキー、共訳)、『青い脂』(ソローキン、共訳)など。『アンナ・カレーニナ』でロシア文学翻訳最優秀賞受賞。 |