本書には短篇小説「秘密のないスフィンクス」と詩「スフィンクス」も収録し、さらに親友だったエイダ・レヴァーソンの作品を付録にした。種明かしをすると、これはいわば"スフィンクスづくし"の趣向で、ワイルドはレヴァーソンのことを、"スフィンクス"と呼んでいたのです。(訳者)
結婚を控え、手相占いに翻弄される「アーサー・サヴィル卿の犯罪」。生真面目で頑張り屋の幽霊が棲みつくお屋敷をアメリカ公使一家が買って一騒動「カンタヴィルの幽霊」。長詩「スフィンクス」ほか短篇4作に、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家エイダの「回想」を含む佳作を収録。
ワイルド年譜 |
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オスカー・ワイルド Oscar Wilde |
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1854 -
1900 ]
アイルランド出身の作家・劇作家。外科医で著述家の父と、詩人であった母との間に次男として生まれる。自身の唱える芸術至上主義を身をもって実践し、ロンドン社交界で人気者となる。29歳で結婚。『サロメ』『ウィンダミア卿夫人の扇』などの話題作を発表し時代の寵児となるが、同性愛の罪で逮捕・投獄。出獄後フランスに渡るも、3年後の1900年、パリにて客死。 |
[訳者] 南條竹則 Nanjo Takenori |
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東京生まれ。小説『酒仙』で第5回ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。主な著書に小説『あくび猫』、エッセイ『恐怖の黄金時代──英国怪奇小説の巨匠たち』『ドリトル先生の英国』『吾輩は猫画家である』。主な訳書に『ねじの回転』(ジェイムズ、共訳)、『D.G.ロセッティ作品集』(共訳)、『木曜日だった男 一つの悪夢』(チェスタトン)、『白魔』(マッケン)、『天来の美酒/消えちゃった』(コッパード)、『秘書綺譚』『人間和声』(ブラックウッド)、『怪談』(ラフカディオ・ハーン)、『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』(ワイルド)、『消えた心臓/マグヌス伯爵』(M・R・ジェイムズ)、『アーネスト・ダウスン作品集』、『新アラビア夜話』(スティーヴンスン、共訳)、『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』(オブライエン)、『エリア随筆』(ラム)など。 |