マルクスは当初、『資本論』を「商品」から始まり「商品」で終わらせる予定だった。資本主義的生産過程の結果としての「商品」は単なる商品ではなく、剰余価値を含み資本関係をも再生産する。ここから見えてくる資本主義の全貌。『資本論』に入らなかった幻の草稿、全訳!
『資本論』第一部の全体を簡潔に要約しつつも、「生産物が生産者を支配する」という転倒した姿を克明に描き出す。『資本論』では十分に語りつくせなかった独自の論点が躍動的に展開される必読の書。『資本論』の"もうひとつの結末"がここに。
カール・マルクス Karl Marx |
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[ 1818 - 1883 ] ドイツ(プロイセン)の哲学者・経済学者・革命家。思想家として現代にもっとも深い影響を与えた。「独仏年報」誌に「ヘーゲル法哲学批判・序説」「ユダヤ人問題のために」を発表。本書で私有財産の哲学的解明と労働疎外の問題に取り組んだのち、『経済学批判』『資本論』で資本主義の矛盾を鋭く分析、批判。20世紀の社会主義革命の思想的な礎を築いた。私生活ではつねに窮乏にあえぎ、相次いで幼い娘・息子を亡くすなど不遇をかこったが、親友エンゲルスの経済的援助を受けながら意欲的な執筆活動を続けた。1883年3月没。のちにエンゲルスが『資本論』第2、3巻を編集・刊行した。 |
[訳者] 森田成也 Morita Seiya |
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1965年生まれ。大学非常勤講師。主な著書に『ラディカルに学ぶ「資本論」』『資本主義と性差別』『資本と剰余価値の理論』『価値と剰余価値の理論』など。訳書は『新自由主義』(ハーヴェイ、共訳)、『賃労働と資本/賃金・価格・利潤』『資本論 第一部草稿 直接的生産過程の諸結果』(マルクス)、『トロツキー わが生涯(上)』『レーニン』『永続革命論』『ニーチェからスターリンへ トロツキー人物論集【1900−1939】』『ロシア革命とは何か トロツキー革命論集』(すべてトロツキー)など多数。 |