ねじれた友情と歪んだ愛

白痴2

白痴2

ドストエフスキー    
亀山郁夫  訳   

聖なる愚者=ムイシキン公爵を蝕んだ「三角関係」(ロゴージンとナスターシヤ)のゆくえとは⁉ 〈全4巻〉

作品

ドストエフスキーが書いた最高の「恋愛小説」。第1巻のあの狂乱に満ちたドラマチックな夜会から半年。白夜の季節の到来とともに、莫大な遺産を受け取ることになったムイシキン公爵が相続の手続きを終えてモスクワに戻ってきます。炎の友ロゴージンとの再会、あの絶世の美女ナスターシヤとの遭遇、そしてお世話になったエリザヴェータ夫人の末娘アグラーヤの不思議な思惑が新たな「三角関係」を予感させて......。


物語

あのドラマチックな夜会から半年。白夜の季節の到来とともに、相続の手続きを終えたムイシキン公爵がモスクワに戻ってくる。炎の友ロゴージンと再会したとき、愛のトライアングルがひそかに形を変えはじめた。謎の女性ナスターシヤはどこにいるのか。そして、絶世の美少女アグラーヤの不思議な思惑は......。


フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー    Ф. М. Достоевский
[ 1821 - 1881 ]    ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根元的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界の文学に、空前絶後の影響を与えた。
[訳者] 亀山郁夫    Kameyama Ikuo
1949年生まれ。名古屋外国語大学学長。東京外国語大学名誉教授。ドストエフスキー関連の研究のほか、ソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる多くの著作がある。著書に『新カラマーゾフの兄弟』『謎とき「悪霊」』『磔のロシア』『熱狂とユーフォリア』『ドストエフスキー父殺しの文学』『「悪霊」神になりたかった男』『大審問官スターリン』『ドストエフスキー 共苦する力』ほか多数。訳書に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『白痴』『賭博者』(以上、ドストエフスキー)ほか。