思ってたのと違う!

ケンジントン公園のピーター・パン

ケンジントン公園のピーター・パン

バリー    
南條竹則  訳   

ちょっぴり不気味でユーモラスなファンタジー
でも意外と味わい深いいちばん最初のピーター・パン

作品

ここに描かれているのは、子どもと一緒に空を飛ぶ勇敢なピーター・パンではなく、半分人間で半分鳥の赤ん坊のピーターです。神話の世界と幻想の世界が織り交ざった、"可愛らしいお化け"ピーターの魅力がいっぱいの、もうひとつの「ピーター・パン物語」。


物語

かつて鳥だったころのことが忘れられず、母親と別れてケンジントン公園に住むことになった赤ん坊のピーター。葦笛で音楽を奏でたり、小さい家での一夜の出来事など、妖精たちや少女メイミーとの出会いと悲しい別れを描いたファンタジーの傑作。挿し絵はアーサー・ラッカム。


解説

南條竹則


著者年譜
J・M・バリー    James Matthew Barrie
[ 1860 - 1937 ]    スコットランドの作家・劇作家。大学を卒業後、ロンドンに引っ越し たのち、小説と劇作に意欲的に取り組む。最初に書いたピーター・パン物語は小説『白 い小鳥』(1902年)に挿入された話中話で、本書は1906年刊行。劇『ピーター・パン、 あるいは大人になろうとしない少年』(04年)が大成功を収め、これを小説家したのが『ピーターとウェンディー』(1911年)。その後も人気劇作家として数々の戯曲を発表する。「ピーター・パン」から得られる全収入を寄付するなど慈善事業を行ったが、家庭での生活には恵まれなかった。1937年死去。
[訳者] 南條竹則    Nanjo Takenori
東京生まれ。小説『酒仙』で第5回ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。主な著書に小説『あくび猫』、エッセイ『恐怖の黄金時代──英国怪奇小説の巨匠たち』『ドリトル先生の英国』『吾輩は猫画家である』。主な訳書に『ねじの回転』(ジェイムズ、共訳)、『D.G.ロセッティ作品集』(共訳)、『木曜日だった男 一つの悪夢』(チェスタトン)、『白魔』(マッケン)、『天来の美酒/消えちゃった』(コッパード)、『秘書綺譚』『人間和声』(ブラックウッド)、『怪談』(ラフカディオ・ハーン)、『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』(ワイルド)、『消えた心臓/マグヌス伯爵』(M・R・ジェイムズ)、『アーネスト・ダウスン作品集』、『新アラビア夜話』(スティーヴンスン、共訳)、『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』(オブライエン)、『エリア随筆』(ラム)など。