「母親と交わり、実の父親を殺す」という呪いから逃れ、故国を捨てたオイディプス。英雄として迎えられたテーバイ国で彼を待っていたのは、より過酷な運命だった。「エディプス・コンプレックス」のもとになり、全世界で読み継がれ、上演されつづけるギリシャ悲劇の最高傑作!
危機に瀕する都市国家テーバイを救うためオイディプス王は神託を請う。結果は、「先王ライオス殺害の犯人を罰せよ」だった。真相が明らかになるにつれ、みずからの出生の秘密を知ることになる彼を待ち受けていた運命とは? 後世の文学、思想に大きな影響を与えた。
ソポクレス Σοφοκλής |
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[ 497/496 B.C. - 406/405 B.C. ] 古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人。アテネの演劇祭である大ディオニューシア祭に 30回参加して優勝18回、2位12回の成績を残す。生涯で120を超える悲劇を書いたといわれるが、現存するのは7篇のみ。他の作品は、『アイアース』『アンティゴネー』『トラキスの女たち』『エレクトラ』『ピロクテーテス』『コロノスのオイディプス』(執筆順)。 |
[訳者] 河合祥一郎 Kawai Shoichiro |
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1960年生まれ。東京大学教授。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。著書に『ハムレットは太っていた!』(第23回 サントリー学芸賞受賞)『シェイクスピアの正体』ほか多数。主な訳書に『ハムレット』(シェイクスピア)ほか、『不思議の国のアリス』(キャロル)、『新訳ナルニア国物語』シリーズ(C・S・ルイス)、『オイディプス王』(ソポクレス)などがある。 |