ロシア革命の取材を通じて、リードが見出した「真実」──それはジョン・リードという、詩人の魂と、ジャーナリストの社会的使命感と、興行主の山っ気とを合わせ持った一人の男の目と心に映った、いわば真・善・美だったのではないだろうか。本書は優れたジャーナリズムの作品でありつつ、それに留まらない一篇のエピック叙事詩でもあろう。(訳者)
1917年11月。ロシア革命のさなか、アメリカの若きジャーナリスト、ジョン・リードが、革命の指導者から兵士、農民、さらには反対派までを取材し、冬宮の占拠など刻一刻と変動する革命の緊迫した現場を臨場感あふれる筆致で克明に描いた20世紀最高のルポルタージュ。ロシア革命100周年企画第2弾!
ジョン・リード John Reed |
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[ 1887 - 1920 ] アメリカのジャーナリスト。大学を卒業後、労働争議や社会問題についての記事を月刊誌に寄稿するなどジャーナリストとして活動を始める。メキシコ革命を取材した『反乱するメキシコ』(1914年刊)で名を挙げ、第1次世界大戦も特派員として取材。1917年9月に今度はロシアに向かった。帰国後、諜報活動取締法でたびたび起訴されたがいずれも無罪となり、ようやく1919年3月に本書を書きあげた。8月にはアメリカ共産労働党の関係で再びロシアに渡ったが、チフスに罹患。32歳の若さで死去。モスクワのクレムリンの壁に埋葬された。 |
[訳者] 伊藤 真 Ito Makoto |
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翻訳家。訳書に『ブラック・フラッグス』(ジョビー・ウォリック)、『アメリカを変えた夏1927年』(ビル・ブライソン)、『ペリリュー・沖縄戦記』(E・スレッジ、共訳) 『告白』(ジェンキンス)、『アフリカ苦悩する大陸』(R・ゲスト)など多数。 |