読者が今なお、アルマンを通してマルグリットに魅了され、激しい恋の歓びと哀しみを感じることができるのは、ここに今も変わらぬ若い二人の感情の細やかさ、理と情の葛藤や、理想と現実の落差を見るからであろう。(訳者あとがきより)
パリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な日々を送る美貌の高級娼婦マルグリット。彼女はある日、青年アルマンと出会う。初めて真実の愛に目覚めた彼女は、これまでの享楽的な生活を捨て、パリ近郊の別荘で二人は暮らし始めるのだが、そこへ訪ねてきたのはアルマンの父だった......。
年譜 |
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アレクサンドル・デュマ・フィス Alexandre Dumas fils |
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[ 1824 - 1895 ] フランスの小説家・劇作家。同名の父、アレクサンドル・デュマの非嫡出子。父の庇護のもと、若いころより社交界に出入りし、20歳のときに高級娼婦マリ・デュプレシスと恋に落ちる。その思い出をもとに書きあげた本作『椿姫』が脚光を浴び(1848年)、1852年にはみずからの脚本で同作を上演、大成功を収める。その後も小説や戯曲で多くの作品を発表し、1874年にはアカデミー・フランセーズの会員に選ばれた。 |
[訳者] 永田千奈 Nagata China |
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東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。主な訳書に『海に住む少女』『ひとさらい』(シュペルヴィエル)、『女の一生』(モーパッサン)、『孤独な散歩者の夢想』(ルソー)、『クレーヴの奥方』 (ラファイエット夫人)、『椿姫』 (デュマ・フィス)、『ある父親』(シビル・ラカン)、『それでも私は腐敗と闘う』(イングリッド・ベタンクール)、『サーカスの犬』(リュドヴィック・ルーボディ)、『印象派のミューズ』(ドミニク・ボナ)などがある。 |