アンドロイドSFの祖、待望の新訳!

未来のイヴ

未来のイヴ

ヴィリエ・ド・リラダン    
高野 優  訳   

絶世の美女を模した機械に、理想的な魂を宿した
Andréide 1.0 ハダリー誕生
天才エジソンの"神の領域"への挑戦を描く

作品

「神をも恐れぬ不気味な科学に警鐘を鳴らす」という文学的伝統から一歩前進し、機械が完璧ならば人間との違いはどこにあるのか、人はそれに愛すら抱きうるのかという問いに踏み込んだ作者の革新性には驚かされる。後世の多くのSF作品に大きな影響を与えた傑作を、読みやすい新訳で !


物語

魅惑的な美貌と肉体を持ったアリシアを運命の恋人としたエウォルド卿は、やがて彼女のあまりの軽薄さに幻滅してしまう。絶望の淵にあった彼に手をさしのべたのは、エジソンだった。偉大な発明家はついに、アリシアを完璧に模した肉体に高貴な魂をそなえた機械人間を生み出すが......


解説

海老根龍介(仏文学者・白百合女子大学教授)


ヴィリエ・ド・リラダン    Villiers de l'Isle-Adam
[ 1838 - 1889 ]    フランス西部ブルターニュ 地方の侯爵家に生まれる。17歳頃からパリでカフェや劇場に出入りし、20歳で詩集を出版して以後、評論、小説、戯曲を次々と発表する。ボードレールとポーの影響を受け、またフローベール、ヴェルレーヌ、マラルメ、デュマ・フィスなどと交友した。代表作にユイスマンスやマラルメが絶賛した短篇集『残酷物語』、現代のSFにも影響を与えた長篇『未来のイヴ』などがある。
[訳者] 高野 優    Takano Yu
フランス語翻訳家。高野優フランス語翻訳 - 教室主宰。白百合女子大学非常勤講師。主な訳書に、『八十日間世界一周』『地底旅行』(ともにヴェルヌ)、『夜の体験』『奇想遍歴』(ともにベアリュ)、『ルーフォック・ オルメスの冒険」(カミ)などがある。