「愛」と「恋」の激突がまねく、衝撃のフィナーレ!

白痴4

白痴4

ドストエフスキー    
亀山郁夫  訳   

ドストエフスキー「この結末を書きたいために書いた小説だ」

作品

「これまでの文学で反復されたことのない場面」とまで作者が書いたラストシーン。 あまたの謎に満たされた物語の本質を探るには、この場面に投入した作者の想像力を分析する以外、手立てはないのかもしれない。物語はジャンルとしてどう規定できるのか、「ハリネズミ」「中国製の花瓶」の謎、そして、結末はどのようにもたらされたか......。(訳者)


物語

「あなたと会えるのはこれが最後かもしれない。最後かも」かつてナスターシヤが語った言葉に導かれるように、この終楽章が始まる。悲劇的なるものとコミカルなものが融合した「世界一美しい恋愛小説」は、4人の運命を、ある渦巻きの中心に向かって引きずり込んでいく。全4巻完結。


読書ガイド

亀山郁夫

フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー    Ф. М. Достоевский
[ 1821 - 1881 ]    ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根元的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界の文学に、空前絶後の影響を与えた。
[訳者] 亀山郁夫    Kameyama Ikuo
1949年生まれ。名古屋外国語大学学長。東京外国語大学名誉教授。ドストエフスキー関連の研究のほか、ソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる多くの著作がある。著書に『新カラマーゾフの兄弟』『謎とき「悪霊」』『磔のロシア』『熱狂とユーフォリア』『ドストエフスキー父殺しの文学』『「悪霊」神になりたかった男』『大審問官スターリン』『ドストエフスキー 共苦する力』ほか多数。訳書に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『白痴』『賭博者』(以上、ドストエフスキー)ほか。