知識とは何か、ほんとうに知っているとはどういうことかを主題に、ソクラテスの助産術などのエピソードをまじえ、知識と知覚について、相対主義批判、記憶や判断、真の考えなどとの関係について対話を重ね、若き数学者テアイテトスを「知識の哲学」へと導く、プラトン絶頂期の最高傑作。
知識を身につけ知恵ある者になることと、人として生まれ、生きることとはどう関係しているのか? 知覚、記憶、推論、判断、真理、説明などの哲学的主題のなかで、みずから考え、学ぶことの大切さを考えさせる、老哲学者ソクラテスと十代の天才数学者テアイテトスによるスリリングな対話篇。
渡辺邦夫
ソクラテス・プラトン年譜 |
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プラトン ΠΛΑΤΩΝ |
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[ 427 B.C. - 347 B.C. ] 古代ギリシャを代表する哲学者。アテネの名門の家系に生まれる。師ソクラテスとの出会いとその刑死をきっかけに哲学の道に入り、40歳ころには学園「アカデメイア」を創設して、晩年まで研究・教育活動に従事した。ソクラテスを主人公とする「対話篇」作品を生涯にわたって書き続け、その数は30編を超える。主な作品として、本書をはじめ、『ソクラテスの弁明』、『メノン』、『パイドン』、『饗宴』、『国家』、『テアイテトス』、『法律』などがある。その壮大な体系的哲学は、後世の哲学者たちに多大な影響を及ぼした。 |
[訳者] 渡辺邦夫 Watanabe Kunio |
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1954年生まれ。茨城大学人文学部教授。博士(学術)。東京大学大学院比較文学比較文化専門課程博士課程単位取得退学。古代ギリシャ哲学専攻。著書に『アリストテレス哲学における人間理解の研究』、訳書に『メノン』(プラトン)『ニコマコス倫理学』(アリストテレス)がある。 |