作品 |
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「カタルシス」「模倣」の概念を用いて古代ギリシャ悲劇を定義し、ストーリー創作としての詩作の要になる「逆転」「再認」「受難」などについて分析した最古の芸術論。『詩学』の幻の喜劇論との関連が注目される『コワスラン論考』の全訳を、詳細な解説とともに付す。 |
内容 |
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本書が後世の芸術論や美学、文学、演劇などに与えた影響は巨大です。『詩論』を残した古代ローマの詩人ホラティウス、『美学』を著した近代美学の提唱者バウムガルテンへの影響はいうに及ばず、 現代に至るまで、およそ芸術を論じた西洋の文学者や思想家で『詩学』をまったく参照しなかった人物は見当たらないといってよいほどです。 (訳者) |
目次 | |
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訳者まえがき | |
詩学──ストーリーの創作論 | |
解説 目次 (解説:三浦 洋) | |
一 『詩学』の主題と歴史的背景 | |
(一)ホメロスの遺産と演劇コンテスト | |
(二)素晴らしい詩作の考察方法 | |
(三)プラトンの詩人追放論と『詩学』の模倣説 | |
(四)「カタルシス」は何を意味するか | |
(五)アリストテレスの芸術哲学の可能性 | |
二 ギリシャ語の詩の韻律 | |
(一)三脚韻と四脚韻 | |
(二)六脚韻と哀歌調など | |
三 各部の議論內容 | |
(一)第一〜五章の基礎考察 | |
(二)第六〜二十二章の悲劇論 | |
(三)第二十三〜二十四章の叙事詩論 | |
(四)第二十五〜二十六章の総括 | |
四 『詩学』第二巻と喜劇論をめぐる謎 | |
(一)第二巻は存在したか | |
(二)『コワスラン論考』の概要と全訳 | |
(三)喜劇の変遷を叙述する視点 | |
五 後世への影響 | |
(一)イタリアでの『詩学』ルネサンス | |
(二)曲解から生まれた「三一致の法則」 | |
(三)近代文芸や美学に対する貢献 | |
(四)現代思想からの批判を超えて | |
年譜 | |
訳者あとがき |
アリストテレス ΑΡΙΣΤΟΤΕΛΗΣ |
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[ 384 B.C. - 322 B.C. ] 古代ギリシャを代表する哲学者。ギリシャ北部のスタゲイラに生まれ、17歳ころアテナイのプラトンの学園アカデメイアに入学、20年間研究生活を送る。プラトンの死後小アジアなどの遍歴時代を経て、50歳近くでアレクサンドロス王の庇護のもとでアテナイに学園リュケイオンを創設し、学頭として研究と教育に没頭した。かれの著作は講義ノートが大部分であり、内容別に整理され、学問方法論、理論学の『形而上学』、『魂について』、実践学の『二コマコス倫理学』『政治学』、制作学の『詩学』などがある。 |
[訳者] 三浦 洋 Miura Hiroshi |
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1960年生まれ。北海道情報大学情報メディア学部教授。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究科(哲学専攻)博士課程修了。研究分野は、古代ギリシャ哲学を中心に、哲学、倫理学、芸術学にわたる。分担執筆に「地域連携型の芸術教育」(『北大 教養教育のすべて』所収)、訳書に『詩学』(アリストテレス)、「アリストテレス霊魂論註解」(フランシスコ・デ・トレド、『中世思想原典集成20 近世のスコラ学』所収、共訳)がある。 |
書評 | |
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2020.07.09 週刊文春 | 「名著のツボ」(石井千湖さん) |