"ロシア文学の父"プーシキンの代表作!

大尉の娘

大尉の娘

プーシキン    
坂庭淳史  訳   
歴史的事件に巻き込まれる青年貴族の愛と冒険
作品
特にこだわってみたのは、グリニョーフを「僕」で語らせたことだ。どこか「坊っちゃんらしさ」の抜けきらない彼のロシア語は若く、みずみずしい。もちろん年老いたグリニョーフの記した回想という設定はある(若い自分を相対化して語るグリニョーフも何度か登場してくる)けれど、「十七歳の心」を伝えたかった。(訳者)
物語
心ならずも地方連隊勤務となった青年グリニョーフは、要塞の司令官の娘マリヤと出会い、やがて相思相愛になる。しかし父親に反対されるなか、プガチョーフの反乱が起こり、マリヤも囚われ、グリニョーフも捕虜になってしまう……。みずみずしい新訳で甦るプーシキン晩年の傑作。
 解説 坂庭淳史
 年譜
 訳者あとがき
プーシキン    A.C.Пушкин
[ 1799 - 1837 ]    ロシアの詩人、作家。ロシア近代文学の父と呼ばれるロシアの国民詩人。短詩作品、物語詩、劇詩、韻文小説、散文小説など多くの分野で名作を残す。貴族の家に生まれ、賭博、恋愛、決闘に彩られた奔放な生涯を送り、ついには美貌の妻をめぐり、フランス人将校と決闘の末、37歳で落命。後世の作家たちへ大きな影響を与え、今なおロシア人の魂のよりどころとなっている。代表作は『スペードのクイーン』『エヴゲーニー・オネーギン』『大尉の娘』など。
[訳者] 坂庭淳史    Sakaniwa Atsushi

早稲田大学教授。ロシア文学者。著書に『プーシキンを読む  研究のファースト・ステップ』、『フョードル・チュッチェフ研究』、訳書に『雪が降るまえに』(アルセーニー・タルコフスキー)、『廃墟のなかのロシア』(ソルジェニーツィン、共訳)がある。

書評
2019.06.22 聖教新聞 みずみずしい新訳版名作
あとがきのあとがき
   17歳の「僕」を大人にした愛と名誉を貫く大冒険──『大尉の娘』訳者・坂庭淳史さんに聞く