作品 |
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次々と幻想怪奇譚が披露されていく形式は『千夜一夜物語』さながらだが、作家自身が見聞きした話の報告という外枠に加え、当時の史実をふんだんに織り交ぜるデュマ得意の手法により、物語のリアルさと切れ味が増している。 |
物語 |
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「女房を殺して、捕まえてもらいに来た」と市長宅に押しかけた男。その場に居合わせた作家デュマや市長たちは、男の自宅の血塗られた地下室を見に行くことに。男の自供の妥当性をめぐる議論は、いつしか各人が見聞きした奇怪な出来事を披露しあう夜へと発展する。本邦初訳! |
目次 | |
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はしがき ✳︎✳︎✳︎氏へ | |
第1章 | フォントネ = オ = ローズ市、ディアヌ通り |
第2章 | セルジャン小路 |
第3章 | 調書 |
第4章 | スカロンの家 |
第5章 | シャルロット・コルデーの頰打ち |
第6章 | ソランジュ |
第7章 | アルベール |
第8章 | 猫、執達吏、そして骸骨 |
第9章 | サン=ドニの王墓 |
第10章 | ラルティファイユ |
第11章 | 髪の腕輪 |
第12章 | カルパチア山脈 |
第13章 | ブランコヴェアヌの城 |
第14章 | ふたりの兄弟 |
第15章 | ハンゴー修道院 |
解説 | 前山 悠 |
年譜 | |
訳者あとがき |
アレクサンドル・デュマ Alexandre Dumas |
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[ 1802 - 1870 ] 19世紀フランスの代表的作家。パリ近郊に生まれ、劇作家になること を夢見てパリへ。シャルル・ノディエに才能を見出され、ユゴー、ミュッセらと交流。1829年に上演された散文劇『アンリ三世とその宮廷」などで人気を確立。その後小説 『三銃士』、『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』、『王妃マルゴ』なども大成功を収め、生涯500を超える作品を送り出した。豪快なまでの浪費と放蕩、『料理大辞典』を著した美食家としても知られる。『椿姫』の作者となった息子がデュマ・フィス(息子デュマの意)と呼ばれるのに対し、デュマ・ペール(父デュマ、大デュマ)と呼ばれる。 |
[訳者] 前山 悠 Maeyama Yu |
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1981年新潟県生まれ。パリ第七大学 (現パリ大学) 博士課程修了(文学博士)。学習院大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。大分県立芸術文化短期大学専任講師。訳書に『千霊一霊物語』(デュマ)など。 |
書評 | |
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