物語 |
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50歳を目前にして、美貌のかげりと老いを自覚する元高級娼婦のレア。恋人である25歳の青年シェリの突然の結婚話に驚き、表向きは祝福して別れを決心しつつも、心穏やかではいられない......。香り立つような恋愛の空気感と細やかな心理描写で綴る、「恋愛の達人」コレットの最高傑作。 |
目次 | |
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シェリ | |
解説 | 吉川佳英子(フランス文学者) |
年譜 | |
訳者あとがき |
シドニー=ガブリエル・コレット Sidonie-Gabrielle Colette |
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[ 1873 - 1954 ] フランスの国民的作家。パリ南東のサン=ソヴール=アン=ピュイゼに生まれ、豊かな自然のなかで育つ。最初の夫の勧めで書いた小説『学校のクローディーヌ』(1900)が評判になり、シリーズ化される。離婚後、自活のため役者や踊り子として舞台にも立つ。精力的に執筆活動をする一方、第一次世界大戦中は報道記者として戦地にも赴いた。'20年発表の『シェリ』で作家として不動の地位を築き、『青い麦』('23)はフランス文学の新たな可能性を切り拓いたと高く評価された。'45年には女性として初のアカデミー・ゴンクールの会員に、'53年にはレジオン・ドヌール勲章勲二等を受章。生涯三度の結婚、同性愛など、型破りな生き方でも知られた。 |
[訳者] 河野万里子 Kono Mariko |
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上智大学外国語学部フランス語学科卒業。翻訳家。主な訳書に『青い麦』(コレット)、『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)、『悲しみよ こんにちは』(サガン)、『キュリー夫人伝』(E・キュリー)、『カモメに飛ぶことを教えた猫』(セプルベダ)、『いのちは贈りもの ホロコーストを生きのびて』(クリストフ)ほか多数。 上智大学非常勤講師。 |