ソクラテス死す。

パイドン──魂について

パイドン──魂について

プラトン    
納富信留  訳   
“魂の不死について語り合った最期の一日”
作品
死後、人間の魂はどうなるのか? 肉体から切り離され、それ自身存在するのか? 永遠に不滅なのか? ソクラテス最期の日、獄中で弟子たちと対話する、プラトン中期の代表作。魂の存在を哲学し、威厳をもっておだやかに死を迎えるソクラテスの姿は「知を愛し求める人」そのものと言える。
内容
ソクラテスが死を迎える場面は、その簡潔な描写で美しい一幅の絵画のようである。 (中略)やがて死んでいく私たち一人ひとりが、プラトンの描くソクラテスの死に、言いようのない崇高さと魅力を感じるのは、私自身もこの人間のように哲学者として生き、死にたいと思う、魂のイデアへの憧れからかもしれない。(訳者)
目次
訳者まえがき
パイドン──魂について
 解説 納富信留
 年譜
 訳者あとがき
プラトン    ΠΛΑΤΩΝ
[ 427 B.C. - 347 B.C. ]    古代ギリシャを代表する哲学者。アテネの名門の家系に生まれる。師ソクラテスとの出会いとその刑死をきっかけに哲学の道に入り、40歳ころには学園「アカデメイア」を創設して、晩年まで研究・教育活動に従事した。ソクラテスを主人公とする「対話篇」作品を生涯にわたって書き続け、その数は30編を超える。主な作品として、本書をはじめ、『ソクラテスの弁明』、『メノン』、『パイドン』、『饗宴』、『国家』、『テアイテトス』、『法律』などがある。その壮大な体系的哲学は、後世の哲学者たちに多大な影響を及ぼした。
[訳者] 納富信留    Notomi Noburu
1965年生まれ。東京大学大学院教授。英国ケンブリッジ大学古典学部にてPh.D取得。西洋古代哲学・西洋古典学専攻。国際プラトン学会前会長。著書に『ソフィストと哲学者の間』『ソフィストとは誰か?』 『プラトン 哲学者とは何か』『哲学者の誕生』『プラトン 理想国の現在』等、訳書に『ソクラテスの弁明』がある。