オペラ、バレエ、そして映画でいまも人気の不朽の名作

カルメン/タマンゴ

カルメン/タマンゴ

メリメ    
工藤庸子  訳   
純情な青年ドン・ホセを狂わせた“魔性すぎる女”カルメン
作品
「あたしたちの仲はすっかりおわったんだ。おまえさんはあたしのロム[亭主]なんだから、おまえさんのロミ[女房]を殺したらいいんだよ。でも、カルメンはいつだって自由なのさ」。 追えば逃げ、逃げれば追う。自由奔放に生きる情熱の女カルメンは、いまも生きている!
物語
純粋で真面目な青年ドン・ホセは、カルメンの虜となり、嫉妬にからめとられていく。軍隊を抜け悪事に手を染めるようになったホセは、ついにカルメンの情夫を殺し、そして……。(「カルメン」)。黒人奴隷貿易を題材に、奴隷船を襲った反乱の惨劇を描いた「タマンゴ」。傑作中編2作を収録。
目次
タマンゴ
カルメン
 解説 工藤庸子
 年譜
 訳者あとがき
プロスペール・メリメ    Prosper Merimee
[ 1803 - 1871 ]   

フランスの作家。パリ生まれ。名門高校を出てパリ大学で法学を学ぶ。その後サロンや文学集団に通うなど、親がかりの遊民生活を送る。1825年、『クララ・ガスルの戯曲集』で作家デビュー。’29年、『マテオ・ファルコーネ』『タマンゴ』などを発表し、文壇での地位を確立する。’34年「歴史的記念物視察官」に着任。南仏、アルザス、ノルマンディー、コルシカ、バスク地方、マドリードほか各地の視察を長きにわたり続ける。’44年、アカデミー・フランセーズ会員に選出。’45年『カルメン』発表。’53年には元老院議員に任命された。’70年、カンヌで死去。

[訳者] 工藤庸子    Kudo Yoko

東京大学名誉教授。専門はフランス文学。著書に『女たちの声』、『フランス恋愛小説論』、『〈淫靡さ〉について』(蓮實重彦との共著)、『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ』、『政治に口出しする女はお嫌いですか?──スタール夫人の言論vs.ナポレオンの独裁』『ヨーロッパ文明批判序説』など。訳書に『シェリ』『牝猫』『シェリの最後』(コレット)『ヒロシマ・モナムール』(デュラス)などがある。

あとがきのあとがき
   わたしは自由に死ぬ!人生は自分で決める女と真面目青年の恋── 『カルメン/タマンゴ』訳者の工藤庸子さんに聞く