作品 |
---|
院の寵愛を受けながらも、皇族貴族たちの漁色に、また女たちの嫉妬にさらされる日々……。宮中でのなまなましいまでの愛欲の生活と、出家後の遍歴を赤裸々に綴った中世文学の傑作。750年の時空を超えて甦る、一人の女性の“愛の物語”! |
物語 |
---|
後深草院の寵愛を受け十四歳で後宮に入った二条は、その若さと美貌ゆえに多くの男たちに求められるのだった。そして御所放逐。尼僧として旅に明け暮れる日々……。書き残しておかなければ死ねない、との思いで数奇な運命を綴った、日本中世の貴族社会を映し出す「疾走する」文学! |
目次 | |
---|---|
本書に登場する色を中心とした「日本の伝統色」 | |
訳者まえがき | 佐々木和歌子 |
『とはずがたり』時代の主な公家女房と公卿装束 | |
とはずがたり | 巻一 〜 巻五 |
付録 | 『とはずがたり』関係地図 |
付録 | 『とはずがたり』関係系図・相関図 |
解説 | 佐々木和歌子 |
年譜 | |
訳者あとがき |
後深草院二条 Gofukakusain Nijo |
---|
[
1258 -
? ]
鎌倉時代末期の日記文学作者。本名と没年は不詳。父は久我雅忠(こがまさただ)、母は四条隆親の娘である大納言典侍(すけ)。4歳で後深草院の御所に初めて出仕し、14歳で後宮生活に入る。後深草院の女房として寵愛される。西園寺実兼(雪の曙)や院の弟である性助法親王(有明の月)らとも関係を結んだ。のちに宮中を追放され、出家。憧れていた西行にならい、尼僧として関東、四国、中国地方への旅に出、歌を詠む。後深草院崩御の折には、裸足で葬送の車を追う。後年、『とはずがたり』を著す。 |
[訳者] 佐々木和歌子 Sasaki Wakako |
---|
1972年、青森県生まれ。文筆家。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。専門は日本語日本文学。(株)JR東海エージェンシーで歴史文化系コンテンツの企画制作に携わりながら、古典文学の世界をやさしく解き明かす著作を重ねる。著書に『やさしい古典案内』『やさしい信仰史──神と仏の古典文学』『日本史10人の女たち』など。訳書に後深草院二条『とはずがたり』がある。 |