作品 |
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人間の心理に対する透徹した視線と、描写の生々しさと共存する幻想性、そして卓抜な比喩……二十世紀の大半を通じて、さらには今世紀に至るまでのアメリカ文学における戦争小説のひとつの「型」は、クレインのこの小説によって完成したのだとも言える。(解説より) |
物語 |
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戦場での英雄的活躍に憧れ、北軍に志願したヘンリー。進軍の停滞で焦らされた末に戦いが始まり、興奮のうちに射撃し続けた彼だったが、執念深く襲いかかる敵軍の包囲に遭うや、高揚はたやすく恐慌へと変わるのであった。南北戦争を舞台に色彩豊かに描かれるアメリカ戦争文学の傑作。 |
目次 | |
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勇気の赤い勲章 | |
解説 | 藤井 光 |
年譜 | |
訳者あとがき |
スティーヴン・クレイン Stephen Crane |
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[
1871 -
1900 ]
作家・詩人・ジャーナリスト。シラキュース大学在学中に小説を書き始め、『ニューヨーク・トリビューン』紙の特派員も務める。大学中退後、マンハッタンへ。『マギー 街の女』が文壇の大御所ウィリアム・ディーン・ハウウェルズに高く評価される。南北戦争を題材にした『勇気の赤い勲章』(1895年)はベストセラーとなり、ほかに短篇「オープン・ハート」や「青いホテル」でも知られるが、生前は長らく経済的困窮や結核に苦しめられ、28歳で死去した・アメリカ自然主義文学の草分けとされる。 |
[訳者] 藤井 光 Fujii Hikaru |
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同志社大学文学部英文科教授、翻訳家。北海道大学文学部言語・文学コース卒業。著書に『21世紀×アメリカ小説×翻訳演習』、『ターミナルから荒れ地へ「アメリカ」なき時代のアメリカ文学』、訳書に『タイガーズ・ワイフ』(テア・オブレヒト、第10回本屋大賞翻訳小説部門第1位)、『すべての見えない光』(アンソニー・ドーアア、第7回Twitter文学賞海外部門第1位)、『海の乙女の惜しみなさ』」(デニス・ジョンソン)、『かつては岸』(ポール・ニューマン)、『紙の民』(サルバトール・ブラセシア)など。 |
書評 | |
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2019.11.16 日本経済新聞 |