ボルヘス、コルタサルと並ぶラプラタ幻想文学の巨匠が描く、面妖・怪奇の世界へようこそ!

アラバスターの壺/女王の瞳 ルゴーネス幻想短編集

アラバスターの壺/女王の瞳 ルゴーネス幻想短編集

ルゴーネス    
大西 亮  訳   
作品
エジプトの墳墓発掘に携わった貴族の死は、現場の〈死の芳香〉のせいなのか? 奇しくも同じ香りを纏う女が現れ...... 史実を元にした連作の表題作、画期的な装置の発明者の最期を描く「オメガ波」など、科学精神と幻想に満ちた、近代アルゼンチンを代表する作家の傑作18編。
物語
化学や植物学、動物学、物理学、考古学など多岐にわたる驚くべき自然科学的博識と、想像力溢れる幻想的味わいを見事に融合させ、唯一無二の文学世界を形作る、アルゼンチン文学の巨匠ルゴーネス選りすぐりの傑作短編全18作を収録。幻想文学ファン必読の一冊!
目次
アラバスターの壺/女王の瞳
 ヒキガエル
 カバラの実践
 イパリア
 不可解な現象
 チョウが?
 デフィニティーボ
 アラバスターの壺
 女王の瞳
 死んだ男
 黒い鏡
 供儀の宝石
 円の発見
 小さな魂(アルミータ)
 ウィオラ・アケロンティア
 ルイサ・フラスカティ
 オメガ波
 死の概念
 ヌラルカマル
 解説 大西 亮
 年譜
 訳者あとがき
レオポルド・ルゴーネス    Leopoldo Lugones
[ 1874 - 1938 ]   

アルゼンチンの作家、ジャーナリスト。23歳で発表した詩集『黄金の山々』によって、モデルニスモ(近代派) 文学の旗手と高く評価される。主要紙の記者を務め、急進的新聞の創刊に関わるなと、ジャーナリストとしても活躍する一方、教育改革にも力を注ぐ。生涯多くの詩や政治的論考、150もの短編小説を書き、ボルヘス、コルタサルなどいわゆる「ラプラタ幻想文学」の源流に位置する作家とされる。

[訳者] 大西 亮    Onishi Makoto

法政大学国際文化学部教授。専門はラテンアメリカ現代文学。1969年神奈川県生まれ。神戸市外国語大学大学院博士課程修了(文学博士)。訳書に『傷痕』(フアン・ホセ・サェール)、『人工呼吸』(リカルド・ピグリア)、『連邦区マドリード』 (J.J. アルマス・マルセロ)など。

書評
2020.02.29 図書新聞 「幻想文学愛好家、新たな必読の書」