愛と希望と幻滅

戦争と平和3

戦争と平和3

トルストイ    
望月哲男  訳   
アンドレイとナターシャ、そしてピエールの想いが交錯する。
作品
アウステルリッツでの戦闘のあと、舞台は貴族領地と首都ペテルブルグ、モスクワへと移る。領地で鬱屈した日々を送るアンドレイとナターシャの劇的な再会から、フリーメイソンの一員として自己実現を目指すピエールを巻き込んで、運命の歯車が大きく動き出す第3巻。
物語
妻の死後、田舎の領地に鬱屈して籠るアンドレイを蘇らせたナターシャとの出会い、そして婚約。条件付きで父親の承諾を得て保養の旅に出たアンドレイに対し、結婚までの1年の猶予を待ちきれないナターシャは若さゆえ、ピエールの義兄アナトールの誘惑に心を動かされるのだった……。
目次
戦争と平和3
第2部
 第3編
 第4編
 第5編
 読書ガイド 望月哲男
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ    Л. Н. Толстой
[ 1828 - 1910 ]    ロシアの小説家。19世紀を代表する作家の一人。無政府主義的な社会活動家の側面をもち、徹底した反権力的な思索と行動、反ヨーロッパ的な非暴力主義は、インドのガンジー、日本の白樺派などにも影響を及ぼしている。活動は文学・政治を超えた宗教の世界にも及び、1901年に受けたロシア正教会破門の措置は、今に至るまで取り消されていない。主著に『アンナ・カレーニナ』、『戦争と平和』、『復活』など。
[訳者] 望月哲男    Mochizuki Tetsuo
1951年生まれ。中央学院大学教授。北海道大学名誉教授。ロシア文化・文学専攻。著書に『「アンナ・カレーニナ」を読む』『ドストエフスキーカフェ-――現代ロシアの文学風景』、『ユーラシア地域大国の文化表象』、訳書に『白痴』『死の家の記録』(ドストエフスキー)、『アンナ・カレーニナ』『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』(トルストイ)、『ロマンⅠ、Ⅱ』(ソローキン)、『ドストエフスキーの詩学』(バフチン、共訳)、『自殺の文学史』(チハルチシヴィリ、共訳)、『アレクサンドルⅡ世暗殺』(ラジンスキー、共訳)、『青い脂』(ソローキン、共訳)など。『アンナ・カレーニナ』でロシア文学翻訳最優秀賞受賞。