聖なる川、赤い雄牛、 敵国の密偵... 少年と老僧の 「探求」の旅は続く

キム

キム

キプリング    
木村政則  訳   
広大無辺な英領インドを舞台としたキプリングの最高傑作。
作品
本書では一人の少年の物語の周囲に、さまざまな国籍・宗教・文化を持った個性的な人々が配置され、実に緻密な物語を構成している。波瀾万丈の冒険小説、成長物語、相棒もの、ロードノベル、宗教小説、 国際スパイ小説など、ひとつのジャンルでは語れない魅力に満ちた作品だ。
物語
植民地時代のインド。英国人孤児のキムは現地民に溶け込み逞しく暮らしていたが、チベットから聖なる川を探しに来たという老僧に感化され、弟子として同道する。だが現地語と変装が得意な彼は英国軍の目にとまり、やがて重大な任務を担うことになり……。ノーベル賞作家の代表的長篇。
目次
訳者まえがき
キム
 解説 木村政則
 年譜
 訳者あとがき
ラドヤード・キプリング   
[ 1865 - 1936 ]    イギリスの詩人・小説家。インドのボンベイで生まれる。7歳で妹とイギリスへ送られ孤独な少年時代を過ごすが、このころ文才に目覚める。過度の読書で目が悪くなり軍人志望を断念、インドに戻り文筆活動に入る。批評、詩、小説など多岐にわたる創作活動は晩年まで衰えなかった。1907年ノーベル文学賞受賞。主な作品に『ジャングル・ブック』『キム』など。
[訳者] 木村政則    Kimura Masanori

1968年生まれ。英米文学翻訳家。専門は 20世紀イギリス小説。著書に『20世紀末イギリス小説 アポカリプスに向かって。訳書に『チャタレー夫人の恋人』(D・H・ ロレンス)、『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』(モーム)、『あなたの自伝、お書きします』『ブロディ先生の青春』『寝ても覚めても夢』『バン、バン! はい死んだ」 (以上、ミュリエル・スパーク)などがある。