作品 |
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絶世の美女で登場する仙女や女妖だけでなく、醜い異類に対しても人間と変わりなく向き合う作者の姿勢は一貫している。場合によっては異類のほうに好意的でさえある。『聊斎志異』が幅広く受け入れられた理由の一つは、人間世界の冷酷無残な現況を直視しながらも、人間と異類との関わりに救いや慰めを見出し得るからではないだろうか。(訳者) |
物語 |
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中国清代の作家蒲松齢が、科挙に落第しつづけるなか、古来の民間伝承などをもとに豊かな空想力と古典の教養を駆使し、仙女、女妖、幽霊や精霊、昆虫といった異能のものたちと人間との不思議な交わりを描いた怪異譚。日本で、また世界で読み継がれる中国怪異小説の傑作。43篇収録。 |
目次 |
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聊斎自誌 |
〈怪〉の巻 |
1 瞳人語/2 画壁/3 偸桃/4 野狗/5 夜叉国/ |
6 小猟犬/7 酒虫/8 周克昌/9 阿英/10 促織 |
〈妖〉の巻 |
1 王成/2 画皮/3 嬰寧/4 双灯/5 醜狐/6 阿繊/7 黄英 |
〈恋〉の巻 |
1 連城/2 封三娘/3 緑衣女/4 瑞雲/5 白秋練/6 香玉 |
〈夢〉の巻 |
1 鳳陽士人/2 続黄梁/3 蓮花公主/4 江城/5 夢狼/6 竹青 |
〈仙〉の巻 |
1 労山道士/2 西湖主/3 蕙芳/4 青娥/5 雲蘿公主/6 丐仙 |
〈幽〉の巻 |
1 王六郎/2 陸判/3 聶小倩/4 連瑣/5 李司鑑/6 伍秋月/7 小謝/8 席方平 |
解説 | 黒田真美子 |
年譜 | |
訳者あとがき |
蒲松齢 Pu Songling |
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[
1640 -
1715 ]
中国清代の作家。中国山東省淄川に生まれる。18歳で結婚。19歳で科挙の前段階試験である童子試(県・府・道 すべて)を首席で及第するが、その後30年以上にわたり科挙の試験(郷試)で落第をつづける。生計のため家庭教師や幕僚を務めながら異聞を収集し『聊斎志異』にまとめた。50代後半には一般向け解説書にも力を入れ、文人として認められるようになった。 |
[訳者] 黒田真美子 Kuroda Mamiko |
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元法政大学教授。東京大学大学院博士課程修了。博士(文学)取得。主な著書に 『中国小説小事典』『中国古典小説選』(共著)、『韋應物誌論』など。 |