人が人を愛する「心のはたらきを探る」

フロイト、性と愛について語る

フロイト、性と愛について語る

フロイト    
中山 元  訳   
リビドー、エディプス・コンプレックス、社会の抑圧
作品
フロイトは、愛する他者をどのように選ぶかについて、「対象選択」という視点で考察し、ある女性の同性愛者の「心的なメカニズム」を、リビドー、エディプス・コンプレックスから解き明かす。そして性愛と抑圧的な社会との関係を批判的に考察する。性と愛に関する7つの論文を収録。
内容
わたしたちはどのように他者を愛するようになるのか。また、どのような愛情関係と性愛関係を結んでいくのか。一人の人間における心的なメカニズムから、性に対して抑圧的な社会との関係にまで考察を進めた論文集。
目次
男性における対象選択の特殊な類型について ──「愛情生活の心理学」への寄与(1)(1910年)
性愛生活が多くの人によって貶められることについて ──「愛情生活の心理学」への寄与(2)(1912年)
処女性のタブー ──「愛情生活の心理学」への寄与(3)(1918年)
ある女性の同性愛の事例の心的な成因について(1920年)
エディプス・コンプレックスの崩壊(1924年)
解剖学的な性差の心的な帰結(1925年)
「文化的な」性道徳と現代人の神経質症(1908年)
 解説 中山元
 年譜
 訳者あとがき
ジークムント・フロイト    Sigmund Freud
[ 1856 - 1939 ]    東欧のモラビアにユダヤ商人の長男として生まれる。幼くしてウィーンに移住。開業医として神経症の治療から始め、人間の心にある無意識や幼児の性欲などを発見、精神分析の理論を構築した。1938年、ナチスの迫害を逃れ、ロンドンに亡命。'39年、癌のため死去。主著に『夢判断』『精神分析入門』『自我とエス』など。
[訳者] 中山 元    Nakayama Gen
1949年生まれ。哲学者、翻訳家。主著に『思考のトポス』『フーコー入門』『はじめて読むフーコー』『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』『フーコー 生権力と統治性』『フーコー 思考の考古学』ほか。訳書に『自我論集』『エロス論集』『幻想の未来/文化への不満』『人はなぜ戦争をするのか』(以上、フロイト)、『パピエ・マシン(上・下)』(デリダ)、『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』『純粋理性批判』(カント)、『人間不平等起源論』『社会契約論/ジュネーヴ草稿』(共にルソー)、『職業としての政治 職業としての学問』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(共にウェーバー)、『善悪の彼岸』『道徳の系譜学』(共にニーチェ)、『存在と時間』(ハイデガー)ほか多数。