過酷な戦場から、逃避行を試みる二人...... 
待ち受けていたのは

武器よさらば(下)

武器よさらば(下)

ヘミングウェイ    
金原瑞人  訳   

作品

この作品、後半からいきなり厭戦的になり、その一方で、みずみずしい恋愛物語が進行していく。この虚無感とロマンチックな躍動感──ヘミングウェイの手にかかると、鮮やかに迫ってくる。(訳者)


物語

傷が癒え、再び前線へと戻るフレデリック。しかし戦況は厳しく、イタリア軍は敗走を余儀なくされる。フレデリックは戦線を離脱し、命がけでキャサリンのもとへ帰り着く。結婚を誓い、スイスへ脱出する二人。だが、戦場の中で燃え上がった愛の結末は、あまりにも悲劇的なものだった。

アーネスト・ヘミングウェイ    Ernest Hemingway 
[ 1899 - 1961 ]    アメリカの小説家。行動派の作家で、第一次世界大戦に赤十字の一員として従軍し、負傷する。その後、特派員として再び渡欧しスペイン内乱や第二次世界大戦にも従軍記者として関わり、その経験を元に『武器よさらば』『誰がために鐘は鳴る』を書き上げる。第二次世界大戦後はキューバに渡り、1952年に発表した『老人と海』でピューリッツアー賞を受賞。1954年にはノーベル文学賞を受賞する。晩年は健康と精神状態が悪化し、散弾銃で自殺。
[訳者] 金原瑞人    Kanehara Mizuhito
1954年生まれ。法政大学社会学部教授。翻訳のほか、エッセイ、評論など幅広く手がけている。訳書に『幸せな王子』(ワイルド)、『タイムマシン』(ウェルズ)、『青空のむこう』(シスラー)、『ブラッカムの爆撃機』(ウェストール)、『プークが丘の妖精パック』(キプリング、共訳)など多数。