作品 |
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『月と六ペンス』に並ぶサマセット・モームの傑作『人間の絆』をより原題に忠実なタイトルで新訳。「絆」の語から薄れつつある「しがらみ」あるいは束縛という否定的な意味こそ、この物語の主人公が人間関係において陥った状態を指すにふさわしいのだった。 |
物語 |
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幼くして両親を亡くした少年フィリップ。寄宿学校での経験から自由を求め、外国生活に憧れてハイデルベルク、芸術家を夢見てパリ、就職を見据えてロンドンと、理想と現実の狭間をもがき進むが……。友情と恋愛、そして人生のままならなさを描き切る文豪モームの自伝的長編小説。 |
ウィリアム・サマセット・モーム Willam Somerset Maugham |
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[ 1874 - 1965 ] イギリスの劇作家、小説家。イギリス人の両親のもと、フランスで生まれる。幼くして両親を亡くし、イギリスの叔父に引き取られる。10代は学校生活になじめず読書に逃避。やがて演劇の面白さに目覚め、作家を志すが、現実的な選択として、医学校に入学。1897年、貧民街での実習経験をもとにした『ランベスのライザ』を出版。1907~1908年にはロンドンで上演された戯曲が次々に大成功を収め、社交界の名士となる。第一次大戦中は、英国諜報部員として諜報活動に従事。40代以降は、ヨーロッパ各地や南太平洋の島々をたびたび訪れ、数々の短編を生み出した。長編の代表作に『人間のしがらみ』『月と六ペンス』など。 |
[訳者] 河合祥一郎 Kawai Shoichiro |
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1960年生まれ。東京大学教授。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。著書に『ハムレットは太っていた!』(第23回 サントリー学芸賞受賞)『シェイクスピアの正体』ほか多数。主な訳書に『ハムレット』(シェイクスピア)ほか、『不思議の国のアリス』(キャロル)、『新訳ナルニア国物語』シリーズ(C・S・ルイス)、『オイディプス王』(ソポクレス)などがある。 |