作品 |
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『街と犬たち』は頻繁な場面転換によって最初のうちこそ読者に当惑を引き起こすかもしれないが、バルガス・ジョサの長編小説としては形式的に平易であり、文学的背景などを気にしすぎることなく、スリルとサスペンスに満ちた物語を純粋に楽しむのが最良の読み方であろう。(訳者解説) |
物語 |
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厳格な規律の裏で不埒な行いが横行するペルーのレオンシオ・プラド軍人学校。ひとつの密告がアルベルト、〈奴隷〉、ジャガーら少年たちのいびつな連帯を揺るがし、一発の銃弾に結びついて……。ラテンアメリカ文学を牽引するノーベル賞作家による圧巻の長編デビュー作。 |
目次 | |
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街と犬たち | |
解説 | 寺尾隆吉 |
年譜 | |
訳者あとがき |
ホルヘ・マリオ・ペドロ・バルガス・ジョサ Jorge Mario Pedro Vargas Llosa |
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1936 -
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ペルーの小説家。1959年に短編集『ボスたち』でデビュー。長編デビュー作であり、10代のうち2年間を過ごしたレオンシオ・プラド軍人学校での経験をもとに書いた『街と犬たち』(1963)によってビブリオテカ・ブレベ賞を受賞し、その世界的成功がラテンアメリカ文学ブームの嚆矢となる。その後も精力的に作品を発表し続け、代表的な長編小説として『緑の家』(1966)、『ラ・カテドラルでの対話』(1969)、『世界終末戦争』(1981)、『チボの狂宴』(2000) があるほか、文学評論集として『ガルシア・マルケス』(1971)、『果てしなき饗宴』 (1975)や『嘘から出たまこと』(1990)、回想録・自伝『水を得た魚』(1993)なども執筆。近年も作品を発表し続けている。2010年にはノーベル文学賞を受賞。 |
[訳者] 寺尾隆吉 Terao Ryukichi |
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1971年生まれ。早稲田大学社会科学総合学術院教授。ラテンアメリカ文学研究者、翻訳家。著書に『ラテンアメリカ文学入門』『魔術的リアリズム」『ラテンアメリカ文学の出版文化史』(編著)、、訳書に『対岸』『八面体』『奪われた家/天国の扉動物寓話集』(コルタサル)、『水を得た魚』『嘘から出たまこと』『街と犬たち』(バルガス・ジョサ)、『ガラスの国境』(フェンテス)、『復讐の女/招かれた女たち』(オカンポ)ほか多数。 |