作品 |
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『貧しき人々』『白夜』での成功の後、シベリア流刑に処されたドストエフスキーが、獄中での「万巻の書物にも達する」見聞を元に書き上げた本作。新しい体験と実験が盛り込まれ、プロットの妙、キャラクターの多彩さ、文体の緻密さという点でもきわめて高い完成度を誇る。 |
物語 |
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都会で暮らす私は、育ての親であるおじの召使から、故郷での異常事態について知らされる。祖母に取り入った居候が口八丁を弄して家庭の権力をほしいままにしているというのだ。彼と対決すべくかの地に向かうが、癖のある客人や親戚たちの思惑にも翻弄され、予想外の展開に……。 |
目次 |
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ステパンチコヴォ村とその住人たち |
第一部 |
1 はじめに |
2 バフチェエフ氏 |
3 おじ |
4 お茶の席にて |
5 エジェヴィーキン |
6 白い牛と百姓コマーリンスキーについて |
7 フォマー・フォミッチ |
8 愛の告白 |
9 閣下 |
10 ミジンチコフ |
11 大いなる疑惑 |
12 破局 |
第二部 |
1 追跡 |
2 新しい報せ |
3 イリューシャの聖名日 |
4 追放 |
5 フォマー・フォミッチが一同の幸福を創造する |
6 結び |
解説 高橋知之 |
年譜 |
訳者あとがき |
主要登場人物しおり |
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー Ф. М. Достоевский |
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[ 1821 - 1881 ] ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根元的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界の文学に、空前絶後の影響を与えた。 |
[訳者] 高橋知之 Takahashi Tomoyuki |
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1985年千葉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。専門はロシア文学、比較文学。現在、千葉大学大学院人文科学研究院助教。著書に、『ロシア近代文学の青春── 反省と直接性のあいだで』『ロシア文化 55のキーワード』(共著)ほか。訳書に、『ステパンチコヴォ村とその住人たち』(ドストエフスキー)、『現代の英雄』(レールモントフ)、『ポケットマスターピース10 ドストエフスキー』(共訳)、『遠読── 〈世界文学システム〉への挑戦』 (フランコ・モレッティ、共訳)。 |
書評 | |
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2022.10.15 毎日新聞 | 「ユーモアの限度超えた陰惨さ、真骨頂」(評者・沼野充義さん) |