繁栄をきわめたヴィクトリア朝のロンドンは、いかなる冒険が待ち受けるかわからない魔法の都。本書は、各篇の主人公が謎と陰謀のさなかに引きずりこまれる、「狐につままれた人の乗合馬車」なのだ。
理由なき自殺願望者が集うロンドンの夜。クリームタルトを持った若者に導かれ、「自殺クラブ」に乗り込んだボヘミアの王子フロリゼルが見たのは、奇怪な死のゲームだった。美しい「ラージャのダイヤモンド」をめぐる冒険譚を含む、世にも不思議な七つの物語集。
ロバート・ルイス・スティーヴンスン Robert Louis Stevenson |
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[ 1850 - 1894 ] イギリスの詩人・小説家・随筆家。エディンバラに生まれ、病弱の身ながら、ヨーロッパ、アメリカ西部、南太平洋の島々を渡り歩き、サモア島で没。冒険小説『宝島』や、二重人格小説『ジキル博士とハイド氏』で大評判を博した。ほかにも歴史ロマン『バラントレイの若殿』や、詩集『子供の詩の園』など。 |
[訳者] 南條竹則 Nanjo Takenori |
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東京生まれ。小説『酒仙』で第5回ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。主な著書に小説『あくび猫』、エッセイ『恐怖の黄金時代──英国怪奇小説の巨匠たち』『ドリトル先生の英国』『吾輩は猫画家である』。主な訳書に『ねじの回転』(ジェイムズ、共訳)、『D.G.ロセッティ作品集』(共訳)、『木曜日だった男 一つの悪夢』(チェスタトン)、『白魔』(マッケン)、『天来の美酒/消えちゃった』(コッパード)、『秘書綺譚』『人間和声』(ブラックウッド)、『怪談』(ラフカディオ・ハーン)、『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』(ワイルド)、『消えた心臓/マグヌス伯爵』(M・R・ジェイムズ)、『アーネスト・ダウスン作品集』、『新アラビア夜話』(スティーヴンスン、共訳)、『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』(オブライエン)、『エリア随筆』(ラム)など。 |
[訳者] 坂本あおい Sakamoto Aoi |
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東京生まれ。青山学院大学文学部卒業。翻訳家、主な訳書に『アイス・ストーム』(ムーディ)、『ねじの回転』(ジェイムズ、共に共訳)、『熱い指、冷たい唇』(アーサー)など。 |