作品 |
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この作品は、勇敢にもペン一本でもって奴隷制度の非人道性を訴えようとした著者ハリエット・ビーチャー・ストウの魂が発した渾身の叫びであり、作品の持つまぎれもない力は、本書が刊行直後からアメリカ初の世界的ベストセラーとなったという事実が何よりも雄弁に物語っている。(訳者) |
物語 |
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ルイジアナ州の気の良い大農園主に買われ、その家の天使のような娘エヴァとも友情を結んだトム。だが運命の非情な手はトムから大切なものを次々と奪っていく……。読者の心情を揺さぶる小説の形で、奴隷制度の非人道性を告発し、米国社会を変革した、アメリカ文学の記念碑的作品。 |
目次 |
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アンクル・トムの小屋 蔑まれた人々の暮らし(下) |
第19章 オフィーリア嬢の経験と見解(続き) |
第20章 トプシー |
第21章 ケンタック |
第22章 「草は枯 れ、花 はしぼむ」 |
第23章 ヘンリーク |
第24章 前ぶれ |
第25章 小さな 福音伝道者 |
第26章 エヴァの死 |
第27章 「これでこの世とお別れだ」──ジョン・Q・アダムズ |
第28章 御許 へ |
第29章 寄る辺なき人々 |
第30章 奴隷倉庫 |
第31章 中間航路 |
第32章 暗い隅々 |
第33章 キャシー |
第34章 クヮドルーンの物語 |
第35章 形見 |
第36章 エメリンとキャシー |
第37章 自由 |
第38章 勝利 |
第39章 計略 |
第40章 殉教者 |
第41章 ジョージ坊っちゃま |
第42章 本物の幽霊話 |
第43章 結末 |
第44章 解放者 |
第45章 終わりに |
解説 石原 剛 |
年譜 |
訳者あとがき【全文公開】 |
ハリエット・ビーチャー・ストウ Harriet Beecher Stowe |
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[
1811 -
1896 ]
コネチカット州リッチフィールドで、神学者の父と、教養人の母の間に生まれる。1851年に週刊新聞に小説「アンクル・トムの小屋」を連載開始。翌年に二巻本として刊行されると、1年で30万部という当時としては異例のベストセラーとなる。本書によって奴隷制度撤廃の機運が高まると、1861年に南北戦争が勃発し、1862年にはリンカーン大統領による奴隷解放宣言が現実のものとなった。 |
[訳者] 土屋京子 Tuchiya Kyoko |
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1956年生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家。訳書に『ナルニア国物語』全7巻(C・S・ルイス)、『あしながおじさん』(ウェブスター)、『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』(トウェイン)、『小公子』『小公女』『秘密の花園』(バーネット)、『仔鹿物語』(ローリングズ)、『部屋』(ドナヒュー)、『ワイルド・スワン』(ユン・チアン)、『EQ〜こころの知能指数』(ゴールマン)ほか多数。 |