陰謀と寝返り、 英雄たちの雄姿と凋落。

太平記(上)

太平記(上)

作者未詳    
亀田俊和  訳   
内容
正中の変、元弘の変を経て鎌倉幕府はついに滅亡するが、後醍醐天皇による建武の新政も世の混乱を収めきれず……。足利尊氏・直義兄弟、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、高師直らによる、日本各地で繰り広げられた南北朝時代の動乱を描いた歴史文学の傑作。全2巻。
作品
『太平記』の歴史観は近世・近代の政治思想にも大きな影響を与え、現実の政治や教育政策をも左右した。(中略)まさに、日本の思想・政治・文化の基礎を形成したと言っても過言ではない古典文学である。(訳者)
目次
       
太平記 上巻
凡例
※表記【1-8】は『太平記』原本における巻の一、第八話であることを示す。
  • 第一部
  • 第二部

序文

【1-1】後醍醐天皇が武臣を滅ぼす計画を立てられたこと

【1-6】土岐十郎と多治見四郎と謀叛について︱および無礼講について

【1-8】謀叛計画の発覚

【2-2】二条為明卿の和歌について

【2-6】阿新殿のこと

【3-1】後醍醐天皇が笠置に臨幸したこと

【4-4】和田備後三郎が落書を書いたこと

【5-4】相模入道が田楽を好んだこと

【5-5】犬について

【5-7】大塔宮が般若寺の経櫃に入ったこと

【6-5】聖徳太子の『未来記』について

【6-9】赤坂城の戦いについて──また、人見と本間が戦死したこと

【7-2】村上義光が大塔宮に代わって自害したこと

【7-3】千早城の戦い

【7-5】赤松が後醍醐天皇のために挙兵したこと

【7-7】後醍醐天皇が船上山に臨幸したこと

【7-8】名和長年が後醍醐天皇の味方となったこと

【9-1】足利殿が上洛したこと

【9-5】五月七日の合戦について

【9-7】六波羅探題軍が番場宿で自決したこと

【10-8】鎌倉の市街戦のこと

【10-9】北条高時の自害

【12-1】公家が天下を統一して行った政治

【12-4】千種忠顕について

【12-5】文観僧正について

【12-7】広有が怪鳥を射殺したこと

【12-9】兵部卿護良親王が流罪にされたこと

【13-3】北山殿西園寺公宗が後醍醐天皇暗殺の陰謀をめぐらせたこと

【13-4】中先代の乱

【13-5】兵部卿護良親王を殺害したこと

【13-7】足利尊氏の東国下向

【14-8】箱根の戦い

【14-20】結城親光の戦死

【15-3】三井寺の戦い

【15-18】多々良浜の戦い

【16-2】新田義貞が出陣したこと

【16-7】楠木正成が兵庫に向かい、子息に教訓を遺したこと

【16-9】本間重氏が鳥を射落としたこと

【16-10】楠木正成の戦死

【16-14】楠木正行が父正成の首を見て悲嘆に暮れたこと

【17-10】新田義貞が足利尊氏と戦ったこと

【17-13】堀口貞満が後醍醐天皇の帰京を制止したこと

【17-18】北陸地方に転進した新田軍に凍死者が続出したこと

【18-7】瓜生の老母について

【18-13】比叡山延暦寺の起源および室町幕府が山門の所領を承認したこと

【19-4】金ケ崎の皇太子恒良親王と将軍宮成良親王の死

【19-9】美濃国青野原の戦い

【20-13】左中将新田義貞の首が獄舎の門に懸けられたこと

 関連図録
 全話目次
 人物一覧(頻出・その他)
 頻出登場人物しおり
              
  
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[訳者] 亀田俊和    Kameda Toshitaka

1973年、秋田県生まれ。国立台湾大学日本語文学系助理教授。京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学専攻 (日本史学)修了。京都大学博士(文学)。著書に『高師直』『足利直義』『征夷大将軍・護良親王』『観応(かんのう)擾乱(じょうらん)』『南北朝期室町幕府をめぐる諸問題』など多数。