ここにもあった、いとをかし。

枕草子

枕草子

清少納言    
佐々木和歌子  訳   
ユニークな視点で切り取った 平安女子の日常
背景を知るのに役立つ宮廷ガイド付き
作品
清少納言が「をかし」と思うのは、彼女の感情がそこに向けられ、何かを得ようとするから。定子サロンにふさわしい美しさを、清少納言の目は、いつも探していたのかもしれない。(訳者)
物語
「この草子、目に見え心に思ふ事を」。栄華を誇った中宮定子を支えた女房・清少納言は、なぜ膨大な言葉を書き残さなければいけなかったのか……。痛快な批評が笑いや哀感と同居する、平安朝文学を代表する随筆。鋭く繊細なまなざしですくい取った世界観を、歯切れ良く瑞々しい新訳で。
目次
 宮廷生活を知るためのガイド
 関連図版
 解説 佐々木和歌子
 年譜
 訳者あとがき
日本の伝統色
紅色

べにいろ

躑躅色

つつじいろ

緋色

ひいろ

蘇芳色

すおういろ

檜皮色

ひわだいろ

撫子色

なでしこいろ

紅梅色

こうばいいろ

桜色

さくらいろ

鴇色

ときいろ

柿色

かきいろ

朽葉色

くちばいろ

枯色

かれいろ

香色

こういろ

丁字色

ちょうじいろ

女郎花

おみなえし

山吹色

やまぶきいろ

柑子色

こうじいろ

鶸色

ひわいろ

萌黄

もえぎ

木賊色

とくさいろ

緑青色

ろくしょういろ

浅葱色

あさぎいろ

縹色

はなだいろ

納戸色

なんどいろ

瑠璃色

るりいろ

鈍色

にびいろ

              
清少納言    Seishounagon
[ 未詳 - 未詳 ]    生没年未詳。平安時代中期の女性文学者。本名は未詳。父の清原元輔、曽祖父の深養父はともに歌人。橘則光と結婚するがまもなく離別し、その後、藤原棟世と再婚。993年(正暦4)ごろから一条天皇の中宮定子に出仕した。和漢の才に秀で、寵を受けた。晩年は「月の輪」なる地に隠棲したと伝わる。著作に随筆『枕草子』、家集『清少納言集』などがある。
[訳者] 佐々木和歌子    Sasaki Wakako

1972年、青森県生まれ。文筆家。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。専門は日本語日本文学。(株)JR東海エージェンシーで歴史文化系コンテンツの企画制作に携わりながら、古典文学の世界をやさしく解き明かす著作を重ねる。著書に『やさしい古典案内』『やさしい信仰史──神と仏の古典文学』『日本史10人の女たち』など。訳書に後深草院二条『とはずがたり』がある。