別れても、やっぱり、好きな人。

説得

説得

オースティン    
廣野由美子  訳   
婚約破棄から8年後のぎこちない再会。
でも彼の優しさに触れるたび、心が解けていく……
感情揺さぶる、大人のための恋愛小説。
物語
准男爵家の次女アンは、海軍軍人ウェントワースと結婚の約束を交わしていたが、信頼を置く名付け親の反対に遭い、一方的に破談にしてしまう。それから八年。ひょんなことから再会した二人は、表面上はよそよそしく振る舞いつつも、心穏やかではいられず……。大人の恋愛の機微を描く傑作。
目次
説得
 解説 廣野由美子
 年譜
 訳者あとがき
 おもな登場人物しおり
ジェイン・オースティン    Jane Austen
[ 1775 - 1817 ]    英国の小説家。ハンプシャー州スティーヴントン村の牧師一家に生まれる。 兄弟が多く、ジェインは充分な学校教育は受けられなかったが、家庭教育と読書で教養を身につけた。11歳で習作を書き始め、「人生は奇想天外な設定ではなく自分の身の周りにこそある」と、中産階級の人々の生活を好んで描いた。『高慢と偏見』は20歳で書きあげて17年後の1813年に刊行され、『分別と多感』(1811)とともにたいへんな人気を呼んだ。当時は無名の女性が小説を出版すること自体が難しく、匿名で出版された。病気のため41歳で死去。他の長編に『エマ』『マンスフィールド・パーク』『ノーサンガー・アビー』『説得』がある。
[訳者] 廣野由美子    Yumiko Hirono

1958年生まれ。英文学者。京都大学国際高等教育院副教育院長。著書に『批評理論入門──「フランケンシュタイン」解剖講義』『小説読解入門「ミドルマーチ」教養講義』『シンデレラはどこへ行ったのか──少女小説と「ジェイン・エア」』など多数。訳書に『ミドルマーチ』全4巻(ジョージ・エリオット)など。NHK Eテレ「100分de名著」の『フランケンシュタイン』『高慢と偏見』『シャーロック・ホームズスペシャル』にゲスト講師として出演。