物語 |
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役所勤めもやめ、怠惰な日々を送る青年貴族オブローモフ。朝、目覚めても起き上がる気力も湧かない彼が |
内容 |
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『オブローモフ』を初めて読んだとき、私を上回る超弩級の怠け者で決断力を徹底的に欠いた人物がいたことに、どれだけ慰められたことでしょう。しかもその人物は決して完全に否定されているわけではなく、むしろ愛すべき存在として描かれているのです。 (訳者) |
目次 |
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オブローモフの夢 |
オブローモフ 抄訳 |
解説 安岡治子 |
年譜 |
訳者あとがき |
イワン・アレクサンドロヴィチ・ゴンチャロフ Иван Александрович Гончаров |
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[ 1812 - 1891 ] ロシアの作家。ヴォルガ河沿岸のシンビルスク市の富裕な穀物商人の家に生まれる。モスクワ大学文学部を卒業後、ペテルブルグで大蔵省の通訳官となり、以後33年間官吏生活を続けた。1852年にフリゲート艦パラーダ号による世界周航に参加。イギリス、アフリカ、シンガポール、香港、中国、日本('53年長崎)、琉球などを訪れ、'54年帰国した。代表作は三大長編『平凡物語』『オブローモフ』『断崖』など。 |
[訳者] 安岡治子 Yasuoka Haruko |
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1956年生まれ。ロシア文学者。東京大学名誉教授。主な訳書に『地下室の手記』『貧しき人々』『白夜/おかしな人間の夢』(ドストエフスキー)、『マリヤのための金』『マチョーラとの別れ」(ラスプーチン)、『酔どれ列車、モスクワ発ペトゥシキ行』(エロフェーエフ)、『デルス・ウザラ』(アルセニエフ)。共訳に『フョードロフ伝』(セミョーノヴァ)、『チェゲムのサンドロおじさん』(イスカンデル)。共著に『新版 ロシア文学案内』『岩波講座 文学8・超越性の文学』などがある。 |
書評 | |
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2024.07.02 東京新聞 夕刊 | 海外文学の森へ 84〈沼野充義さん〉大胆新訳、原作への愛 |