物語 |
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農薬の大量散布による健康被害と自然破壊を詳細に調査報告し、自然に対する横暴な振る舞いへの猛省を社会に訴えたR・カーソン。農薬規制、有機農法の普及、自然保護、エコロジー思想のその後の展開に大きな影響を与えた名著を、正確で読みやすい訳文と文献リスト付きの完全版で。 |
内容 |
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多様な自然が有する絶妙なバランスに迫る危機から説き起こし、健康被害にまで及ぶ (農薬散布の)悪影響を、核実験による放射性物質の不気味さと対比させつつ訴えたことで、カーソンはたくさんの人々にメッセージを届けることができた。カーソンのこの視点は、その後のエコロジー思想やエコフェミニズムにも影響を与えたといわれている。(訳者) |
目次 |
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お礼の言葉 |
1章 明日のための寓話 |
2章 耐えろと言うならば |
3章 死の妙薬 |
4章 地表の水、地底の海 |
5章 土壌という領域 |
6章 地球を覆う緑 |
7章 無用な大破壊 |
8章 もう鳥も鳴かない |
9章 死の川 |
10章 無差別の空中散布 |
11章 ボルジア家をしのぐ悪夢 |
12章 人間が支払う代償 |
13章 小さな窓越しに |
14章 四人に一人 |
15章 自然の反撃 |
16章 大雪崩の予兆 |
17章 もう一方の道 |
解説 渡辺 政隆 |
年譜 |
訳者あとがき |
文献リスト |
レイチェル・カーソン Rachel Carson |
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[ 1907 - 1964 ] アメリカの科学者、サイエンスライター。ペンシルベニア州生まれ。大学卒業後にウッズホール海洋生物学研究所の夏期研修に参加して以来、海洋生物学の研究を続ける。1936年に商務省漁業局科学調査部に入り、その後、内務省魚類野生生物局に異動。最初の著作は『潮風の下で』 (1941年)。1951年に出した『われらをめぐる海』は全米図書賞を受賞するなどベストセラーとなり、サイエンスライターとしての地位を確立した。1962年に『沈黙の春』を出版し、'64年没。翌'65年に『センス・オブ・ワンダー』が出版された。 |
[訳者] 渡辺政隆 Watanabe Masataka |
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1955年生まれ。サイエンスライター。同志社大学特別客員教授、東北大学特任教授。専門は進化生物学、科学史、サイエンスコミュニケーション。著書に『〈生かし生かされ〉 の自然史』『一粒の柿の種』『ダーウィンの遺産』『科学で大切なことは本と映画で学んだ』『科学の歳事記』ほか。訳書に『種の起源』『ミミズによる腐植土の形成』(ダーウィン)、『ロウソクの科学』 (ファラデ一)、『ワンダフル・ライフ』 (グールド)、『生命40億年全史』 (フォーティ)、『「進化」大全』 (ジンマー)、『シマウマの縞 蝶の模様』 (キャロル)ほか多数。 |
書評 | |
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2024.11.01 日経サイエンス 2024年11月号 | 古典をひもとき いまの環境問題を考える(渡辺政隆さん) |