挿話(エピソード)に満ちた世界を巡る! 20世紀イタリア映画の旗手による異色作。

ぼくのことをたくさん話そう

ぼくのことをたくさん話そう

チェーザレ・ザヴァッティーニ    
石田聖子  訳   
四方田犬彦氏、推薦!
ぼくは悪魔で、きみのためにどんどん物語を作ってみせる。
謎と奇跡。驚きと歓び。
よりどりみどりだよ。
物語
眠れない夜が明ける頃、ひとりの幽霊がぼくをあの世の旅へと連れ出してくれるという。寝間着のまま壁を通り抜けて世界を飛び回り、地獄から天国までの愉快な場面を見物することになるが……。映画『自転車泥棒』『ひまわり』の脚本家として知られる著者の、鮮烈な小説デビュー作。
内容
イタリア映画の脚本家として知られるザヴァッティーニは、文学・ジャーナリズム・絵画の各分野でもそれぞれ傑出した成果を挙げ、文化振興や社会活動にも身を捧げてきた経歴をもつ。そうした多方面における旺盛な活動の中心にあったのは文学にほかならず、とくにその物語創作力であった。(「解説」より)
目次
 解説 石田聖子
 年譜
 訳者あとがき
チェーザレ・ザヴァッティーニ    Cesare Zavattini
[ 1902 - 1989 ]   

イタリアの脚本家、作家、画家。北イタリアの小さな町ルッツァーラに生まれる。高校講師を経て、様々な新聞・雑誌に寄稿するようになり、1931年には初めての小説『ぼくのことをたくさん話そう』が大反響を呼び、「ザヴァッティーニ事件」と騒がれる。作家活動を続ける一方、映画の脚本家としても活躍し、『靴みがき』『自転車泥棒』『ひまわり』など多くの作品を手掛け、ネオレアリズモの理論家として名を馳せた。以降も1989年に没するまで、生涯にわたり、幅広い芸術分野でイタリアの文化振興に貢献した。

[訳者] 石田聖子    Ishida Satoko

福岡県出身。東京外国語大学大学院博士後期課程、ボローニャ大学大学院博士後期課程修了。現在、名古屋外国語大学世界教養学科准教授。専門はイタリア文学と映画。著書に『世界は映画でできている』 (共編著)、『イタリアの文化と日本』(共著) など、訳書に『海底バール』 (ステファノ・ベンニ)、 『あの音を求めて──モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』 (エンニオ・モリコーネ他、共訳)などがある。