物語 |
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裕福な中産階級のウィルコックス家、教養に富むシュレーゲル姉妹、そして貧しい事務員レナード・バストの交友や恋愛を通じ、愛の力で格差を乗り越えようとする人々の困難と希望を描く。有名な「結び合わせることさえできれば……」の小文から始まる、フォースターの代表作。 |
内容 |
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複雑化した現代の問題と向き合う作家たちが、フォースターの良識的で柔軟な物の考え方に今再び惹きつけられている。「結び合わせること」や「寛容の精神」に思いを巡らせること──地道で遠回りのように見えるこうした営為こそが、個人の内面に深く作用して次第に意識を変え、ひいては現実を変えていく。(解説より) |
目次 |
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解説 浦野郁 |
年譜 |
訳者あとがき |
おもな登場人物しおり |
E.M.フォースター Edward Morgan Forster |
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[ 1879 - 1970 ] 英国の小説家。ケンブリッジ大学キングズ・カレッジ卒業。二十代後半から三十歳までに『天使も踏むを恐れるところ』『眺めのいい部屋』『ハワーズ・エンド』などを刊行し、作家としての名声を得る。ほかに批評家に絶賛された『インドへの道』、執筆当時の英国では犯罪であった同性愛を描いて死後に発表された『モーリス』などがある。1969年には、英国でもっとも名誉とされるメリット勲章を受章した。 |
[訳者] 浦野 郁 Urano Kaoru |
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共立女子大学文芸学部教授。ダラム大学英文科博士課程修了。専門は小説作品を中心としたイギリス文学・文化研究。共編著に『よくわかるイギリス文学史』、『二〇世紀「英国」小説の展開』、共訳書に『文学理論講義』 (ピーター・バリー)がある。 |