シェイクスピア喜劇の到達点!

十二夜

十二夜

シェイクスピア    
安西徹雄  訳   

笑いが涙にかわるとき、......行き違う愛の行方

作品

喜劇性は、ここでは今や、狂気と正気、現実と妄想が何重にも反転、倒錯して、ほとんど悪夢の世界、不条理劇的グロテスクにまでにじり寄っているように思える。(訳者解題より)


物語

男に変装した若く美しいヴァイオラは、セザーリオと名乗ってある国の領主に仕えていた。その領主に魅せられたヴァイオラだが、領主は、伯爵家の令嬢で当主のオリヴィアに恋焦がれている。ところが、こんどはオリヴィアが男装のヴァイオラにひと目惚れ、大混乱が巻き起こって......。


ウィリアム・シェイクスピア    William Shakespeare
[ 1564 - 1616 ]    イギリスの劇作家、詩人。若くして故郷を出、ロンドンで役者となった後、座付作者として活躍。『ハムレット』『オセロウ』『リア王』『マクベス』の四大悲劇など、37編の劇を残し、エリザベス時代を代表するばかりか、時代と国境を超えて、世界文学史上最大の作家の一人に数えられている。
[訳者] 安西徹雄    Anzai Tetsuo

1933年生まれ。元上智大学名誉教授。また、「演劇集団〈円〉」を拠点に、シェイクスピアをはじめ、多くの芝居の翻訳・上演にたずさわった。2008年5月死去。著書に『彼方からの声』『シェイクスピア劇四〇〇年』ほか。訳書に『リア王』『ジュリアス・シーザー』『ヴェニスの商人』『十二夜』『マクベス』『ハムレット Q1』(シェイクスピア)、『シェイクスピアの謎を解く』(イアン・ウィルソン)ほか多数。